パリの旅行ガイド情報

パリの治安・安全対策ガイド〜危険な地区・エリア、スリなど事例と対策

華やかなイメージのパリ。確かに街並みや観光スポットなどいいところは沢山ありますが、治安の方は決していいとは言い切れません。特に旅行客はスリなどの軽犯罪に巻き込まれる率が高いので、用心が必要です。安全なパリ旅行のために何に気をつけるべきでしょうか。

2020年6月現在、フランスへの入国は制限されております。
詳しくはこちらの関連記事をご確認ください。

フランス・パリへの入国制限、緩和情報まとめ【2020年6月情報】

テロ以降のパリの治安

2015年11月に起こったパリのテロ事件。一時期は確かにパリの観光地が静かになったのは事実ですが、観光シーズンとともに旅行客はまたパリを訪れるようになっています。美術館やショッピングセンターなど人の集まる場所では、テロ以降入り口での荷物チェックが行われるようになりました。また、ターミナル駅は警察や軍隊が警備に当たっています。前に比べると若干物々しい雰囲気はあるものの、パリの人々は普段と変わらない生活をしています。

●外務省の海外安全ホームページ「たびレジ」に登録しておくと、現地の安全情報が分かるほか、緊急の場合にメールで最新情報を受け取ることができます。
MOFA 外務省 海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp/

パリで行かない方がいいエリア/地域

大まかにいうと、パリでなるべく避けたいのは北側と北東です。区で言うと18区、19区、20区の一部に当たります。特に夜間は歩かない方がいいエリアもあるため、ホテル探しをする時はこの3つの区は避けて、なるべく1ケタの区のホテルを選びましょう。
18区には観光スポットのサクレ・クール寺院があります。昼間のモンマルトル界隈の観光は大丈夫ですが、近くのバルべス駅あたりは雰囲気がすっかり変わるので、周囲への注意が必要です。繁華街のピガールも夜は特に女性は歩かない方がいいエリアです。
19区はスタリングラード駅やジョーレス駅より北は夜間は行かない方がいいでしょう。20区も行くならペール・ラシェーズ墓地辺りまで。
10区の一部、北駅や東駅界隈もあまりよくないとされています。移民層の多い地区なので、いわゆるパリのイメージと全く違った雰囲気があり、危険というほどではありませんが観光客がいると浮きます。
ベルヴィル駅とストラスブール・サン・ドニ駅の周りは、特に危険ではないのですが、昼間からアジア系の街娼がいるエリアという事を頭に入れておいてください。
いずれも、昼間歩く分にはそこまで危なくはありませんが、夜間は行かない方が賢明です。

旅行者が遭いやすい被害

一番多いのはスリです。これは観光スポットや電車内、お店など、どこでも可能性があると思っていて間違いありません。シチュエーションごとによくある事例を挙げてみます。

●観光地での署名詐欺・スリ

観光地には必ず「英語を話せますか?」と言って近づいてくる女性達がいます。署名をさせるふりをしていますが目的はスリや詐欺なので、決して対応しないようにします。

●地下鉄でのスリ、引ったくり

特に多いのは旅行者の乗車率の高い1号線です。混んでいることが多いため、カバンは必ず手で押さえておきます。メトロでよくあるのはジプシーの子供の集団です。不自然に取り囲まれそうになったらすぐその場を離れましょう。また、停車際にカバンを引ったくられることもあります。開閉する進行方向右側の扉近辺には立たないようにします。

●話しかけてくる人

注意をそらしている間に別の仲間が財布などを盗むというケースです。普通の人は旅行者に話しかけることはまずしません。

●カフェなどでの置き引き

座席を取るために椅子に荷物を置くのはNGです。必ず自分の体から離さないようにしましょう。また、テーブルの上にスマホを置くのはとても危険です。パリでの置き引きはあっという間です。

気を付けておきたいこと

最低限心がけておきたい対策です。
●バッグはジッパーのようにちゃんと閉まるもの。さらにフタのように閉じられればなお良い。
●バッグは斜め掛けで、常に手で押さえているようにする。後ろへは回さないように気を付ける。
●財布を後ろポケットに入れるのはNG。
●スマホは安全な場所で使う。
●座るときも荷物は常に離さない。
●写真を撮るときはスリに遭いやすいので注意。
●話しかけられても無視する、あるいははっきりとNOと言う。

被害に遭った時は

●盗難の場合

管轄の警察署(Commissariat de Police)に行きます。盗まれたものはまず返って来ませんが、海外旅行保険の対象になる場合は被害届が必要です。
パリの各区警察署リスト
http://www.prefecturedepolice.interieur.gouv.fr/Vous-aider/Accueil-du-public/Accueil-du-public/Vos-commissariats

日本語の被害届作成書も使えます
http://www.fr.emb-japan.go.jp/jp/anzen/pdf/tonaniraisho.pdf

●パスポートを盗まれた場合

警察署で被害届を貰って日本大使館へ。
日本大使館
住所:7 AVENUE HOCHE 75008 PARIS
電話: 01.48.88.62.00(代表)
大使館による、盗難に遭った場合の対応ページ
http://www.fr.emb-japan.go.jp/jp/anzen/tonan/tonanbaai.html

まとめ

被害に遭わないためには、なるべくスキを見せないことが大切です。バッグには常に手を添えるようにしたり、ガイドブックやスマホに気を取られないようにしたり、周りに気を付けている雰囲気を出せばそれだけでスリなどの被害はかなり防げます。あまり神経質にならずに旅行を楽しんで下さい。