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フランス人の食事・食生活事情〜朝食、ランチ、夕食はどんな食べ物を食べる?

美食の国というイメージの強いフランス。毎日さぞ美味しいものを食べているのだろうと想像する人も少なくないと思います。では実際にフランス人はどんな食事をとっているのでしょうか?フランスの日常的な食生活をご紹介しましょう。

2020年6月現在、フランスへの入国は制限されております。
詳しくはこちらの関連記事をご確認ください。

フランス・パリへの入国制限、緩和情報まとめ【2020年6月情報】

フランス人が基本的に食べるもの

フランスの食材と言うと、フォアグラやトリュフなどが有名ですが、まず日常でこういった高級食材を食べることはありません。フランス人にとってもたまの贅沢で食べるもので、クリスマスの時期にフォアグラが登場するぐらいです。
また、チーズやバター、クリームなどの乳製品も有名ですが、これらは価格も安く種類も豊富なので、乳製品の消費量はかなり多いと言えるでしょう。一般的にフランスの北部やスイスに近い地域など比較的寒い場所では、バターやクリームこってりな料理が多くなります。
魚も食べますが、やはり絶対的に肉の消費が多いのもフランスです。牛、豚、鶏に加えて七面鳥やウサギや鴨なども食べられます。肉の加工食品も豊富で、ハムやパテなどはスーパーに沢山の種類が並んでいます。
そして外せないのがパン。夕食の付け合わせがじゃがいもやお米だったとしてもバゲットを食べたがるのがフランス人です。「お米を食べないと食事した気にならない」と思う日本人がいるのと同じ感覚ではないでしょうか。パンはフランスの食生活に不可欠な存在です。

朝食はとても軽め

クロワッサンとコーヒーあるいはカフェオレ、というのが一般的なイメージですが、毎朝近所のパン屋にクロワッサンを買いに行く家庭はあまり多くありません。以外ですが、スーパーのパン売り場でスライスしたパンを買うところが多いです。
朝のメニューは大体こんなところ。

  • ジャムあるいはバターを塗ったトースト
  • ビスケット
  • スライスしたブリオッシュ
  • シリアル

これにヨーグルトやジュースを加える人もいます。
家の外で朝食をとる人もいます。この場合はカフェのカウンターでコーヒーを立ち飲みし、クロワッサンを一つ食べていくのがパターンです。朝のカフェではカウンターにカゴに入ったクロワッサンが用意してあったりします。
フランス人にとって朝のコーヒーは必須。仕事に行くにはまず濃いエスプレッソを飲んでしっかり目を覚ましてからということでしょう。

ランチはあっさり?しっかり?

昼食は人によっても異なり、またその日によっても変わって来るようです。
幾つかのパターンに分けると、

  • パン屋でバゲットのサンドイッチを買う(飲み物、デザート付きのセットもあり)
  • ファストフード店に行く
  • スーパーやコンビニのパック入り惣菜を買う
  • ブラッスリーやカフェで食べる

一番安上がりなのはサンドイッチ。定番はハムとチーズ入りのごくシンプルなもので、道を歩きながら頬張っている人をよく見かけます。オフィス勤めの人は近場で買ってきて会社で食べることも多いです。
ランチタイムは大体1時間から1時間半。その間にブラッスリーやレストランで食べる人も。お店では日替わりメニューや本日のおすすめなど用意してあり、平均15ユーロほどで前菜とメイン、あるいはメインとデザートのセットが食べられます。よくある内容は、

  • カモのコンフィとじゃがいも
  • ステーキとポテトフライ
  • 牛肉のタルタルとポテトフライ
  • 白身魚のソテーとライス

ただ外食はボリュームがあるので、昼食を食べすぎると午後に差しつかえるため、サラダなどで軽めに済ます人もいます。

夕食も簡単に

フランスには冷凍食品専門店があったり、スーパーの冷凍食品売り場が充実しています。と言うのはほとんどの家庭が共働きで、食材を一から料理している時間がないからです。付け合わせによく食べられるピューレ(マッシュポテト)も、粉末のポテトにお湯を加えるだけ。メインは牛肉をさっとソテーして冷凍のインゲンを温めれば夕食の出来上がりです。
夕食の例:

  • 牛肉のステーキ
  • 白身魚のソテー
  • 鶏もも肉のグリル
  • ハムやパテなどのシャルキュトリ―(肉加工品)
  • パスタ
  • キッシュ、グラタンなどオーブン料理

付け合わせは茹でたニンジンやインゲン、ブロッコリー、ほうれん草のソテーなど。これにパンや茹でたじゃがいもやピューレ、ライスなどを合わせます。
食事のあとバゲットにチーズで締めくくる場合もあります。夕方のパン屋さんは夕食のバゲットを買う人で行列になります。
と言うわけで、普段のフランス人の食事は意外と簡素です。

週末の食事、外食事情

普段は質素な食べ物ですが、週末に友人を招いて食事をする時は前菜、メイン、デザートまで用意してちょっと豪勢になります。週末は市場でチキンの丸焼きを買ってきて食べる家庭もあります。
外食は日本ほど一般的ではありません。まず値段が高いことと、外食は特別な機会という認識があるからです。何かの記念日に夫婦だけで出かけたり、友人に会う機会だったり、お祝い事だったりと、何かの理由がないと気軽に外食をすることはありません。

全体的に、普段はあまりお金をかけずに食べて、特別な時にご馳走を作って大勢で食べる、というメリハリがかなり大きいです。市場で季節の新鮮な食材を買って、その味を楽しむという考えもあり、味付けもいたってシンプル。美食の国のわりに肥満率が少ないのは、こういった日常生活の食事にあると言えるでしょう。