ロンドンはカフェやスーパーなどの公共施設でもWi-Fiが充実していて、寮やシェアハウスには元々インターネット環境が整っていることも多いですが、そうでない場合は個人で契約する必要があります。
そんな時に必要な基本情報と基礎知識をまとめてみました。

ロンドンのブロードバンド事情

日本では光回線が主流となりつつありますが、イギリスではADSLが基本で、ごく限られたエリアと物件で光ファイバーが提供されています。
ロンドンのような大都市も例外ではなく、光ファイバーはあまり普及していません。
なぜならロンドンは古い建物が多く、光回線の配線工事ができなかったり、オーナーや行政への手続きが面倒なためそのまま電話回線を用いている場所が多いからです。

ロンドンのASDLの相場と契約期間

ASDLに関して言うと、固定電話レンタル料金を含め、毎月25~30ポンド+20%消費税が相場です。
因みに殆どの契約は自動引き落としなので申し込みの際に銀行口座が必要です。
固定契約期間は12、18、24か月から選べることが多く、途中で解約すると違約金が発生します。契約期間を過ぎた後は、また固定契約期間をを更新するか30日毎で更新するかが選べます。また、契約から最低保障速度に満たないなどの不調がある場合、2週間程度なら無料で解約が可能なことが多いです。

ロンドンの接続業者:ISP(Interenet Service Provider)

特徴別に主なプロバイダー業者をまとめました。
ちなみに、Virgin Media以外の接続業者はBT Group(※)の子会社であるOpenreachの回線をレンタルする形で提供していますので大体の料金体系や速度は同じですが、業者によってサービスやキャンペーンの内容が若干異なるので、自分に合ったISPを探してみてくださいね。
(※BT Groupは日本のNTTと同じく国営から民間企業に転じた通信事業者です)

イギリスロンドンで唯一の日本語サポートのあるISP

ORBIX(オービックス)

《特徴》
・全て日本語でサポート
・英国銀行口座がなくとも契約可能、また1年未満の短期契約可能
・iPhoneの販売、SIMカードの販売あり
・モバイルブロードバンドあり

データ通信量に制限がないプランを提供しているロンドンのISP

BT(British Telecommunications)

≪特徴≫
英国最大手の電信通信会社
契約すると街の至る所に設置されている公衆のBT WiFiを無制限で使える(最大17Mbps)
各種通信サービスを包括した「Bundle」という商品を販売している

Virgin Media

≪特徴≫
BT同様「Bundle」を販売
ケーブルテレビを経由した独自の回線(CATV)を使っている
電話回線不要のプランもあるなど、商品の種類やサービスが豊富

Relish

≪特徴≫
ロンドン中心部とSwindonがサービス対象範囲
電話回線が不要で独自のデータ通信専用4Gネットワークを利用する新しい形態のワイヤレスブロードバンド
通常の契約でも月額20ポンドと比較的安価に契約できる。(ロンドン中心地の場合)

顧客満足度の高いロンドンのISP

Zen Internet

Utility Warehouse

どちらも小規模プロバイダーですが、消費者団体「Which?」によって昨年行われたアンケート調査によるとそれぞれ85%と76%とサービスへの満足度が高かったようです。

モバイルブロードバンド

基本携帯電話会社が提供するサービスで、利用に際してUSBモデムをパソコンに取り付けセットアップが必要になりますが、回線工事が必要がなく簡単に使えます。携帯電話サービスと同様に電波の届かない場所では使用できないという弱点がありますが、月額制やプリペイド式(Pay as you go)があり、比較的安価に契約できます。
オーナーや行政区への手続きが面倒な建物だったり、そもそも回線を引く工事が不可能な場所だった場合に便利なサービスと言えます。申し込みは各社の携帯電話会社のショップやオンラインでも可能です。

専門用語の簡単な解説

「プロバイダー」とは

我々が自宅の通信機器でインターネットを使う際には、基本的に「プロバイダー」と「回線」を経由しています。「プロバイダー」はインターネットへつなぐための IDやパスワードを発行している会社のことで、ISP(Internet Service Providerの略)とも呼ばれています。

「回線」とは

通信機器とプロバイダーを繋いでいる線路のようなもので、元々回線には「ナローバンド」と「ブロードバンド」という種類があり、現在はそれまで主流であったナローバンドに比べて大容量のデータをやり取りできるブロードバンドがメインになっています。

「光回線」とは

イギリスでは「FTTx」(Fibre To The Xの略)や”Fibre”等で呼ばれています。ブロードバンドの一種で、光ファイバーケーブルという高速で安定した通信ができる回線のこと。

「ADSL回線」とは

“Asymmetric Digital Subscriber Line” の略語で、簡単に言うと電話回線のこと。これをそのままインターネットの回線として使っています。

「Mbps」とは

”Mega bit per second” の略語で、「一秒間に動かせるデータの容量の単位」で、速度として見ることができます。
各通信事業者が提示しているMbpsの表示はは最高速度であって、実際にその速度が出ることはまずありません。しかし、実速度(実際に出ている速度)が10Mbps程度出ていれば、ストリーミング配信やオンデマンドサービスなども十分快適に視聴可能です。

まとめ

ロンドンでオフィスや家を借りる際にオーナーがインターネットプロバイダーと契約してネット代金が家賃に含まれている場合もあるようですのでプロバイダーと契約する前には2重に支払うことがないようオーナーへの確認が必要です。
この記事で自分にあったプロバイダーを見つけて、ロンドンで快適なネットライフを送ってください。