海外を『写ルンです』で撮ってみた:フィルムに時代の面影を焼き付ける
『写ルンです』で各国の風景や人を撮る、という企画でお送りした4月。
突飛な企画と思われたのなら、ある意味それは正解! これには元ネタがあったのです。
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タイ・バンコク在住の友人がまさしくこれをやっていたんですね。で、おもしろいな~! と思って、「海外ZINEでもしたい!」「いいよ!」となった次第。そこで今回の写ルンです記事まとめは、元ネタ記事を書かれた明石さんをゲストにお招きしました。
よろしくお願いします!
よろしくお願いします~
さっき僕「突飛」と書きましたけど、明石さんはどういう経緯でこの企画に考え至ったんですか?
そもそも、僕が初めてタイに行った2000年は『写ルンです』が旅のお供だったんです
あ、そうですね、それくらいだとまだ現役だ
当時の写真は実家の押入れに仕舞って存在を忘れていたんですが、帰省中にそれが出てきて。あれから17年が経った今と当時を比較してみたいと思ったことが、この企画の動機でした
もう完璧じゃないですか、その動機は完璧じゃないですか! よーく理解できました
そんな明石さんと、今回5カ国で写ルンですによって撮られた写真(記事)を振り返りたいと思います!
ジャカルタを『写ルンです』で撮ってみた
まずはインドネシアから
僕もジャカルタには三度行ったことがありますが、やはりオランダ植民地時代のコロニアル建築が残るコタ地区は写ルンです映えしますね
おー、三度も。僕はまだ未踏の国です……。フランス統治時代のあったベトナムもそうですが、コロニアル建築がある場所は映えますよね
自転車オジェックのおじさん、いい味出してる
あぁ、そうそう。この記事は人が多いんですよ、ライターの武部さんのアグレッシブさが目に見えるようです
モナスは80年代の雰囲気が出ていて、いいですね
この周辺は広く場所が取られているだけに、当時から変わってないんでしょうねー
上海を『写ルンです』で撮ってみた
租界時代を彷彿とさせますね~
ですよね! ライターの海辺さんも、撮影前にこの企画にうまくハマるはずだと話してました
指入りすぎて、指が「写ルンです」になっちゃってる(笑)
断っておくと、一番盛大に入っているのはたまたま上海に行っていて撮影に同行した私の指ですからね。戦犯ですこんにちは
「武康大楼」のスマホの写真との比較がいいですよね
あぁ、これ。スマホの写真と比較するって私は思いつきませんでした
そうなんだ、同じ場所でスマホの写真と比較するのが面白いかったのでもっと見てみたかったです
こうして見ると、写ルンですの良さが際立ちますよね。同じ風景2セットになるともう主役が海外というより写ルンですなので、事前に思いついても積極的にはお願いしなかっただろうけど……個人的には確かにそれも気になるところです
ミラノを『写ルンです』で撮ってみた
やっぱりベスパは写ルンです映えしますね
あー、今そう言われて、ローマの休日ってそういえばイタリアだ! と気づいた
ローマですから。歴史的建造物ばかりで街全体が美術館のよう、バンコクとは街並みに雲泥の差が……
いやいや、バンコクのカオス感は別の意味でいいんじゃないですか! そこはよく分かってるクセに~
それにしても、桜です。ミラノで桜が咲いているんですね、衝撃を受けました……
これは私も。なんでも半世紀以上前に日本から数千本の桜が贈られて植樹されたそうですよ
あ、そうだったんですね
それはローマなのでミラノとは違うのですが、ふとしたきっかけで文化を知れるのはいいですね
ソウルと釜山を『写ルンです』で撮ってみた
日本建築が残る街並みは昭和の日本を見ているようですね
私韓国は行ったことはないんですけど、台湾の中部に昔の建物を移築した資料館があって。見た目がまんま『Allways 三丁目の夕日』なんですよねー。一時は限りなく日本であった訳ですから、パラレルワールドみたいなところもあるのかもしれません
ソウルは路地の雰囲気が抜群にいいですね
分かります、狭い路地って写ルンですに映えますよね。昔ながらの道を想起させるのかな?
インスタ映えスポットのZAPANGIは、インスタの方が映えそう
そりゃまぁ(笑)、インスタ映えはあの正方形のトリミングもあってインスタ映えなんでしょう
ベルリンを『写ルンです』で撮ってみた
ベルリンの壁跡の写真が素晴らしいです
これが残っていることそのものも私は驚きましたが、写ルンですと同世代を生きたものというマッチさもあるのかも
そのためですかね、東ドイツを彷彿とさせる写真が多いですね
生で見たら、意外とそうは思わないかもしれないですね。このフィルターがかかっているからこそ思うのかもしれない
社会主義時代にタイムスリップできたようで、よかったです
ドイツで撮ると東西分断時代、中国で撮ると租界時代、写ルンですは写真の中のタイムスリップなのかも
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海外を『写ルンです』で撮ってみた、いかがでしたでしょうか。
この企画で各国のふだんの風景はまた違ったものが撮れるとは思っていましたが、日本だったら昭和感が増すように、ドイツだと東西ドイツ分断時代を彷彿とさせ、上海では租界時代に戻り、ジャカルタはオランダ統治時代……と、それぞれの場所がそのまま時を遡ったかのように見える、というのは新しい発見でした。
記事をご覧いただけると分かりますが、ライターの方でもこの企画のあとで二台目の写ルンですを買ったり、トイカメラを引っ張り出したりなど、インスタントカメラ熱が高まった様子。
海外旅行にあえて写ルンですを持っていく、大いにアリだと思います!
取材協力
明石直哉。2015年1月から「タイの生活や旅行をもっと便利に楽しく」をコンセプトにウェブマガジン「YiNDEED MAGAZINE」をスタート。現在はバンコクで3つのメディア運営、SNSマーケティング、写真撮影サービスを展開。「旅」×「写真」×「東南アジア」をテーマに新規事業を企画中。/YiNDEED MAGAZINE/Twitter
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