2018.04.12

『写ルンです』でイタリア・ミラノを撮ってみた

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『写ルンです』でイタリア・ミラノを撮ってみると、荘厳な歴史的建造物はまるで二十世紀の写真と聞いても違和感がないほどに。街角の自転車や桜など、なんでもない風景がセンチメンタルに写ります。現地在住の鈴木さんがご紹介。

 

使い捨てカメラ、売り場の大きさにビビる

最近ではすっかりスマートフォンに役目を奪われた感のあるカメラ。写真にこだわって一眼レフや高性能コンデジなどを持ち歩いている人もいますが、使い捨てカメラを使っている人はイタリアではまず見かけません。それだけに、写ルンですが日本でちょっとしたブームになっていると知った時はかなりの驚き。というか「まだあったんだ」というのが正直な感想だったかも。

使い捨てカメラコーナー、売り場のボリューム感すごい

ちなみに、今回の記事で使用するカメラは正月に一時帰国したときに手に入れました。実際にお店に行ってみると、思いのほか売り場が大きくてまた驚きます。しかも同じ商品を何列も並べていて、売れ筋っぽい陳列になっている。スマートフォンやデジカメがこれだけ普及している時代に、ある意味新鮮な光景です。

カメラは一番スタンダードなものをチョイス。27枚撮り、ISO感度400です。

 

カメラを持って、ミラノの街中へ

さて、そんなわけでミラノに戻ってきました。写ルンですを持って街歩きしてみます。

ミラノに戻ってきました。バンバン撮っていきます。

まずはドゥオモ前の広場。ミラノ随一の観光地ということもあって人の通りも多く、タイミングによってはちょっとした露店もあっていつも賑やか。少し浮かれたような雰囲気が楽しく、ぼんやりとベンチに座っているだけでも楽しい場所です。

ドゥオモの正面扉の彫刻。一つひとつの作品がとても精緻に作られていて、ただため息が出るばかり。こんなものが建物の内側も外側にもびっしりと彫り込まれているのだから、当時の教会の力はすごかったのだろうと思います。

イタリアといえばやっぱりベスパ。本場ということもあり、街中のあちこちに停まっているのを見かけます。見た目よりも実用性を重視して、大きめの風よけを取り付けているのがイタリア流。

昔から変わってないんだろうなと思わせる八百屋の店先。野菜や果物はだいたいキロ単位で売られていて、好きな量だけ買うことができます。例えば写真中央の「MELONI 6.80」という札は「メロン、1キロ6.80ユーロ(約890円)」という意味。でも撮っておいてなんですが、食べ物はやっぱり鮮やかな色のほうが個人的には好みかも。

工事用のバリケードにペイントされたミラノ市章。第1回十字軍遠征の際、エルサレムの城壁を最初に登り十字架を立てた兵士がミラノ出身であったことに由来しているのだとか。ちなみに、アルファロメオのエンブレムに描かれている十字架も、このミラノ市の紋章がもとになっています。

失業率が高く経済的に安定していないイタリアでは、まだまだ自転車が人気の高い乗り物のひとつ。ロードバイクなどのスポーツ車もありますが、それ以上に多いのは、やっぱりこの写真のような生活の足としてのシンプルな自転車です。特にミラノは泥棒も多いので、古い自転車でも頑丈な鎖でガッチリと留められています。

ここまで、気軽にパシャパシャと撮ってみましたが、思った以上に楽しくて驚いています。

使い捨てカメラの魅力はすでにいろいろな場所で語られていますが、個人的には「どのように撮れたかすぐ分からない」「枚数の制限がある」という2つの制限があることで、かえって面白さが増しているような感じがしました。

無駄撮りできないと思うから一枚撮るのにいろいろと考えるようになるし、その作業が写真を撮る醍醐味でもある。あと、たとえ失敗しても「味」と言えてしまう気楽さもいい感じです。

 

さて、まだまだ撮りますよ

ドゥオモのそばにあるヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガレリア(アーケード商店街)。ガラス製のドームで覆われたアーチは、思わず「おー!」と声が出てしまうくらい立派。中にはグッチやプラダなどのハイブランドのお店が並びます。

ヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガレリア内にある牡牛のモザイク画。股間部分に踵をつけてグリッと1回転すると幸せになるという言い伝えがあり、いつも多くの人で賑わいます。誰が言い出したのか分かりませんが、牡牛にとっては迷惑極まりない話です

ミラノでは市民の足としてすっかり定着したシェアバイク。1時間借りても50セント(約65円)という手軽さもあって、多くの人が利用しています。(別途、年間36ユーロ:約4,700円の登録料が必要)

郵便局の前にあったポスト。背丈が高くて使いにくそうなのは、おそらくいたずら防止でしょうか。ちなみにこの3つのポスト、よーく見てみたけど届け先などの違いはなく、全て同じものでした。「なぜ」って感じですが、イタリアなんてそんなものです

ミラノの中心街で見つけたグラフィティ。自転車専用の駐輪場になっていて、スタンドも用意されています。(写真下のバネのようなもの)見張られている感があって、なんとなく盗まれにくそう。いや、ほんとになんとなくですが。

ミラノの玄関口である中央駅。イタリアの威厳を誇示するため、時の首相であったムッソリーニが「すごいの作れ」と命じた結果こうなったのだとか。大きくて重厚という意味では確かにすごい建物です。

ミラノ中央駅の電光掲示板。行き先のほとんどはイタリア国内ですが、たまにパリやジュネーブなど国外の表示もあり、少しわくわくした気持ちになります。陸続きの国であることを実感する瞬間。

桜の木はイタリアでもあちこちにあって、街歩き中にふと見かけることもよくあります。この桜は少し季節外れでしたが(2月中旬に撮影)見ると少し嬉しい気持ちなるのは、やはり日本人だからでしょうか?

ミラノの街角の風景。写真左の黄色いトラムは1930年ごろから同じタイプのものが使われているのだとか。残念ながら中央の建物の年代や様式は分かりませんでしたが、レトロ感を考えると、この風景は何十年も前から変わってないのだろうと思います。

 

撮るつもりで周囲を眺めると、街歩きが楽しい

いろいろとミラノの街並みを撮ってみましたが、いかがだったでしょうか?

もともとは記事のために始めた企画ですが、ゆるい感じで気軽に写真が撮れるのが面白くて、ここ数日は久しぶりに引き出しの奥からトイカメラを取り出して遊んでいます。

引き出しの奥に眠っていたデジタルトイカメラ。フラッシュなし、ファインダーなし、撮れたかどうかもよくわからないという、絵に描いたようなおもちゃ構造。

せっかくだから1枚撮ってみました。中でレンズがズレているらしく光が漏れたみたいになっています。これはこれで、まあアリ。

少し余談になりますが、今回の写真を撮り終えたあと写真屋さんにカメラを持ち込むと「1週間後に取りに来て」と言われました。長くても2〜3日くらいでできるだろうと思っていたら、そもそも現像のための機械がないため現像所に送らないといけないのだとか(最近は日本でも店舗によっては日数がかかるようですが)。それもやっぱり、フィルムが減ってきているのが理由なのかもしれません。

使い捨てカメラはフィルムをギリギリと巻き上げて、対象物のほうを向いてボタンを押せば終わり。このあっけない感じに最初は戸惑いますが、慣れるとそれも楽しく、常に撮りたいものを探しながら街を歩くようになるので、いろいろな発見があります。

写ルンですを持って街歩き、もし興味があればぜひ試してみてください。思った以上に楽しいですよ!

受取票の名前欄には「Usa e Getta(使い捨て)」と書かれました。そんなに珍しいか。

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この記事を書いた人

鈴木 圭

鈴木 圭

イタリア・ミラノ在住、フリーライター。広告ディレクターや海外情報誌の編集者などを経て2012年にイタリアに移住。イタリア関連情報や海外旅行、ライフスタイルなどの分野を中心に活動中。旅行先の市場でヘンな食べ物を探すのが好き。「とりあえず食べてみよう」をモットーに生きてます。HPTwitterInstagram

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