2018.06.14

アフリカの軽井沢、ルワンダ! 屋根が飛び雷も落ちるけど、温帯気候は僕らの自慢ー。

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一年の間でも億劫に感じる季節、梅雨。楽しい夏がはじまる前に、試練のように日本を襲う。気を紛らわせられるかどうかは分かりませんが、海外の梅雨(雨季)も覗いてみませんか? ルワンダは「アフリカの軽井沢」と呼ばれるほど、涼しい国。丘が多いだけあって海抜が高く、日本と同じ温帯気候に属しています。しかしシッカリと雨季はあるようで、そのときの天候の荒れっぷりはとんでもないそうです。屋根が飛び! 雷落ちる! でも基本的に穏やかな気候は、ルワンダ人の誇り。

 

「アフリカの軽井沢」ルワンダの穏やかな気候

あなたはアフリカの気候に対してどんなイメージをお持ちですか? おそらく多くの方が「アフリカ=暑い」と思っているのではないでしょうか。

アフリカの年間平均気温。30℃近い国(赤いエリア)がほとんど。画像出典:The Atlas of the Biosphere

実際に統計図を見てみると、年間平均気温が30℃近い国が大陸の大部分を占めています。しかし、ルワンダでは平均20℃前後!(参考:World Bank)年間を通しても15~25℃と、暑くもなく寒くもない温度で安定しているため、「アフリカの軽井沢」と呼ばれています(誰が呼び始めたのかは知りませんが)。

その称号も伊達ではなく、とにかく過ごしやすい! 私は2年間ルワンダに住んでいますが、一度も冷暖房器具の必要性を感じたことはありません。赤道からたった2度緯度が離れているだけの位置にあるにもかかわらず、「千の丘の国」と呼ばれるほど丘が多く海抜が高いため、気候は日本と同じ温帯に属しています

私の家も海抜1700mほどの高さにあるため、水の沸点が低くなり、「茹で時間7分」と書かれたパスタを10分近く茹でないと丁度よい硬さにならないのです。日常のそんな場面からも標高の高さを実感することができます。

ルワンダには日本のような春夏秋冬はありませんが、季節が4つに分かれているのは同じです。3月中旬~5月中旬の「大雨季(Itumba)」、5月中旬~10月中旬の「大乾季(Icyi)」、10月中旬~12月中旬の「小雨季(Umuhindo)」、そして12月中旬~3月中旬の「小乾季(Urugaryi)」(参考:Manners in Rwanda)。雨季と乾季が繰り返すサイクルになっているんですね。

ただし「雨季」と言っても一日中降るわけではなく、短時間にドバっと降ることが多いです。日本の梅雨であれば待っても止まない可能性があるので仕方なく傘を差して出かけますが、ルワンダではすぐ止むことが多いため、外に出ずに大人しく止むまで待ちます。

近所の子どもたちと雨宿り中の筆者 撮影:Kazuma Matsuda

そのため、雨の日のイベントはまず間違いなく遅れます。約束事が雨水とともにキレイさっぱり流れていくことも珍しくはありません。遅刻しても「雨が降ってたから」で許されるこの国の文化は、悪く言えば「適当」ですが、「器が大きい」「余裕がある」と捉えることもできますね。

 

映画、読書、ゲーム……ルワンダ人は雨の日に何して過ごす?

では、ルワンダの人たちは、雨の日には何をしているのでしょうか? 2名の友人たちの過ごし方をご紹介します。

 

首都・キガリ在住の男子高校生Pくんの場合

タケダ

雨の日には何をしてるの?

Pくん

映画を観てるよ

タケダ

(映画を観ているなんて珍しい!)家で映画を観られる家庭は多くはないのかと思ってたけど、他の家庭でも観られるの?

Pくん

タウンではそうだよ

タケダ

ごめん、ぼくが田舎に住んでるからそう思ってただけか(笑)。どんな映画を観るの?

Pくん

アクションムービーかな。アメリカとかインドとか韓国の映画を観るよ

彼と普段会っているのは、私の家と彼の学校があるムシャセクターという農村部。普段は学校の寮で寝泊まりしているPくんですが、長期休暇中にはキガリにある自宅に帰っています。ムシャセクターの様子はこちらの記事に詳しく載っています。

千の丘の国・ルワンダが魅せる満天の星空と都市夜景

 

Pくんは映画を観るとのこと。以前近所の家で観たインド映画はルワンダ語に吹き替えされていたのですが、なんと声優はひとり全役。性別・年齢に関係なく、ひとりのおじさんがすべてのルワンダ語吹き替えを担当しているのです。しかもヒンディー語とルワンダ語が交互に聞こえて、その切り替え時に音が途切れるという雑っぷり

すべてひとりのおじさんの声でルワンダ語に吹き替えされているインドのドラマ

そのため男女が見つめ合うロマンティックなシーンでもーー

 

俳優「愛してるよ」(ヒンディー語・イケメン俳優の声)

ブツッ(音が途切れる)

吹替「愛してるよ」(ルワンダ語・おじさんの声)

音が再び流れる

女優「私も愛してる」(ヒンディー語・美人女優の声)

ブツッ(音が途切れる)

吹替「私も愛してる」(ルワンダ語・おじさんの声)

 

となり、内容が全然頭に入ってこないのです。むしろおじさんいらない。

ちゃんとした吹き替え版が作られていないことには、「社会的に経済発展・インフラ整備などにリソースが割かれているため、エンタメ産業にまで手が回っていない(声優がいない、資金がない)」「ルワンダ語話者が少ないため、ルワンダ語吹き替え版DVDを制作しても需要がなく元が取れない」などの理由があるのではないかと推測しています。

 

ムシャセクター在住・男子大学生Mくんの場合

タケダ

雨の日には何をしてるの?

Mくん

本を読んでるよ

タケダ

どんな本を読んでるの?

Mくん

聖書、歴史、経済、地理とか

タケダ

(思ってた読書と違う……!)本屋さんはこのあたりにはないけど、どうやって読んでるの?

Mくん

学校から借りてきてるんだ。でも、学校に行っていない人は本を読む機会が少ないし、財政的に本を用意できない学校もあるね

ルワンダに来て常々思っていたことですが、この国では読書をしている人を滅多に見かけません。日本ではカフェや電車などで毎日のように見かけますが、2年間のルワンダ生活で見たのはおそらく1~2回。

そもそも本屋さんの数が少なく、「Rwanda book store」とグーグルマップで検索してもヒットする店舗数はたったの10件。うち9件は首都のキガリ(Kigali)、残りの1件は第二の都市フイエ(Huye)。特に地方では書籍と接する機会が限られているのですね。

執筆時点で12件と出てくるが、うち2件はコンゴ民主共和国にある店舗。

だからこそ友人のMさんのように、「読書=教科書や聖書を勉強のために読むこと」と思っている人もいるのかもしれません。私は「読書=小説やビジネス書を娯楽として読むこと」と捉えていたので、その認識の違いには驚かされました。

Mさんは「学校(大学)で本を借りている」と言っていましたが、ルワンダでは大学には行くことは簡単ではありません。高等教育(大学以上)進学率は約8%(world bank, 2016)。日本の63%(world bank, 2014)と比べると、その数字がいかに低いかがお分かりいただけると思います。

ルワンダを代表する大学のひとつ、University of Rwanda 画像出典:The New Times

そういえば、さきほど「聖書」というワードが出てきましたが、ルワンダにおける宗教の存在感も、あまり関心のなかった私にとっては新鮮だったことのひとつ。宗派は、キリスト教 96.3%、イスラム教 1.8%、無神論 1.8%、アフリカの民間信仰 0.1%とされています(参考:World Atlas, 2017)。

ルワンダでは「年齢はいくつ?」「出身はどこ?」という質問と同じくらいの頻度で「どこの教会でお祈りしてるの?」と聞かれるので、それだけ宗教というものが重要で身近なものなんだなあと実感しています。ちなみに、その質問に「お祈りはほとんどしない」と答えると、大抵信じられないといった目で見られてしまいます。私を含め日本人が宗教に無頓着すぎるのかもしれませんね。

そのほか、雨の日の過ごし方としては、「ダーム(Dame)」というボードゲームもよく見かけます(国によっては「チェッカー(Checkers)」「ドラフツ(Draughts)」と呼ぶそうです)。

ダームに興じる子どもたち。コマにはビールやファンタの瓶の王冠が使われている。

駒は基本的に黒いマスを斜めに進んでいきます。斜め前に相手の駒が存在し、かつその奥のマスに駒が存在しない場合に相手の駒を取ることが可能。最終的に相手の駒を全滅させるか、相手が動かせる駒がなくなったら勝利となります。写真のようにビールやファンタの瓶の王冠を駒代わりに利用するのも、ルワンダではよく見られる光景です。

 

屋根が飛び、雷が落ちる雨季の被害

基本的に穏やかな気候のルワンダですが、大雨期はさすがにすこし生活が大変になります。まず、トタン屋根の建物が多いので、雨季の雨音は非常にうるさいのです。

教室のトタン屋根。先生の声がまったく聞こえなくなる。

この写真は学校の天井を撮影したものなのですが、大雨の時にはバチャバチャバチャバチャッッッ!! という音がうるさすぎて先生の声が通らず、授業を中断せざるを得ない「雨上がり待ち」の時間があるほど

暴風雨で剥がれた近所の家の屋根。

暴風雨で家が壊れることもしょっちゅうで、トタン屋根は軽いのですぐに吹き飛ばされてしまうのです。でもこうやって家が壊れても、村の人たちはご近所さん同士で助け合ってしのいでいます。

家の中に水たまりができる。

個人的には「雪かき」ならぬ「水かき」が、雨の日の過ごし方の定番。家のドアと床の間に隙間があってさらに床が傾いているため、激しい雨の日には室内に雨水が流れ込み、水たまりができてしまうのです。

暮らし始めた当初は、帰宅時になぜか水たまりが出来ていたので、「水が湧き出てる……もしかして、温泉!!?」とハッピーな勘違いをさせられました(そんなわけない)。

雷の被害も多く、2018年3月には16人の死者が出る大きな事故が発生しました(参考:SWITCH, 2018)。ッドーーーーン!!という耳をつんざくような音ともに、体で地響きを感じるほどすぐ近くに雷が落ちることもあるので、このニュースも他人事とは思えません。

 

それでもこの気候を愛するルワンダの人々

地震は滅多になく(ごく稀にある)、津波もないため、日本と比べれば自然災害のリスクは低いですが、暴風雨や雷に対する備えはまだ万全ではないというのがルワンダの現状です。

とは言え、現地の人たちはこの気候に誇りをもっています。よく彼らから「この国のどこが良いと思う?」と聞かれるので、私は大抵「人が好き」と答えます。そう言うとポイント稼ぎのように聞こえてしまいますが、本当にルワンダの人たちはやさしくてあたたかいのです。

逆に「あなたは自分の国のどこが良いと思う?」と聞いてみると、よく返ってくるのが「気候」という答え。「暑くもないし寒くもない。日差しも穏やかだし、最高でしょ?」と。

庭に設置した手作りハンモックでくつろぐ筆者

私自身、季節感のある日本の四季は大好きですが、過ごしやすいルワンダも落ち着いて暮らすにはありだなあと心から思っています。気温の変化に左右されない土地をお探しのあなた、ぜひいちど「アフリカの軽井沢」の快適さを体感しにいらしてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

タケダ ノリヒロ

タケダ ノリヒロ

日本の大手食品メーカーで3年勤務した後、退職して青年海外協力隊としてルワンダの農村で2年間活動。18年夏から当国でスタディツアーを運営。身長と体重と生まれた年がテイラー・スウィフトと同じです。個人ブログ『タケダノリヒロ.com』(月間PV12万)/ルワンダ情報専門サイト『ルワンダノオト』編集長/Twitterはこちら

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