パタヤは海ではなくプールがおすすめ! レジャーとグルメの必読まとめ
※本記事は特集『海外のビーチリゾート』、タイからお送りします。
行きたくないけど、やっぱり行ってしまうパタヤビーチ
タイでビーチリゾートというと、世界的にはプーケットが有名で、スキューバダイビングを嗜む人たちにはサムイ島などの離島が人気でしょう。2000年にはレオナルド・ディカプリオ主演の映画「ザ・ビーチ」の舞台となり、タイのビーチがより注目されたこともあります。
南国であることから年間を通してハイシーズンと思われがちですが、それは間違いです。プーケットのあるアンダマン海側(インド洋のほうですね)と、サムイ島があるタイ湾側では季節は真逆。プーケット側は11月から4月、サムイ側は5月から10月。わかりやすく言うと、タイの乾期はアンダマン、雨期はタイ湾の海の透明度が高く、ハイシーズンだとされます。
とはいっても、ローシーズンでもそのエリアは魅力的で、いつ行っても素敵な思い出になることでしょう。難点はバンコクから遠いこと。例えばサムイ島はアクセスがあまりよくないという問題がつきまといます。そう考えると、バンコクから時間をかけずにビーチリゾートに行くとなれば、タイ東部のパタヤになるでしょう。
パタヤはタイの特別行政区で、東部チョンブリ県のひとつの街です。バンコクからは車で2時間程度。スワナプーム国際空港からもアクセスしやすく、バンコクではなくパタヤに直行する人も少なくありません。しかし、パタヤは近年は特に――いや、昔からそうですが、市街地の繁華街化が激しく、家族連れには行きづらくなってきています。バーやナイトクラブが多数あり、昼間から際どい服装の女性が外国人男性と街を歩いているなど、小さな子どもには見せにくい光景があるのです。
しかし、距離的に考えると、パタヤは捨てがたいというのも事実です。海も数年前に比べたらずいぶんときれいになりました。パタヤビーチの対岸に浮かぶラン島に渡れば、それこそ透き通った水色のビーチが楽しめます。だから、子どもを連れて行くのはどうかと思いながらも、ついつい行ってしまうのがパタヤです。
パタヤに行ったら海ではなくプールで泳げ?
そんなパタヤに何度か通っているうちに、家族で楽しみ満喫する方法を発見しました。それは「海では泳がないこと」です。せっかくここまで来て? もちろん、子どもは海を見れば泳ぎたくもなるでしょう。だから、海ではなく、ホテルのプールで泳ぐのです。
パタヤの海はずいぶんときれいになったとは言っても、近くで見ればゴミが浮いていたり、ビーチ真横の通りは渋滞するほどの交通量です。ビーチリゾート感が薄いのが現実。それであれば、ホテルのプールの方がまだ日常から離れた雰囲気を味わえ、よりリゾート感が味わえるのです。
実は、パタヤの中級以上のホテルには必ずプールがついています。それも、ちゃんと選べばスライダーがついているものまであり、海でなくても充分にパタヤの熱い陽射しを満喫しながら泳ぐことができます。
大きめプールのハードロック・ホテル
例えば、ノース・パタヤの地域にある「ハードロック・ホテル」。ロックテイストなカフェレストラン「ハードロック・カフェ」の系列ホテルで、プールが大きくてオススメです。小さな子ども向けのスライダーもあり、お子様用の浅いプールもあります。大人には時間ごとにカヤックの競走やエクササイズなどのイベントもあり、家族で楽しめてオススメです。
繁華街そばのサイアム・ベイショア
それから、繁華街のウォーキングストリートのそばの「サイアム・ベイショア」。バーが近いのでうるさそうですが、部屋は中庭側なら静か。しかも、中庭のプールにはスライダーがありますし、広々としたプールが楽しめます。ここはモーニングとディナーのビュッフェがそれぞれ有名で、品数が豊富な上、おいしいのでオススメ。ラン島への船着き場も目の前ですので、立地条件も抜群に良好です。
テーマパーク並みのセンタラ・グランド・ミラージュ・ビーチリゾート
プールつきホテルでもっとも有名なのが「センタラ・グランド・ミラージュ・ビーチリゾート」というホテル。ここは繁華街からかなり離れており、そもそもホテルに籠もるしかないというのもありますが、なんと言ってもプールがちょっとしたテーマパーク並みで、すごい。流れるプールを始め、大人でもスリル満点のスライダーが点在。半分プールに浸かりながらアルコールを楽しめるバーなど、魅力は盛りだくさん。
このようにパタヤは、外に出ないでも楽しめるホテルがたくさんあります。部屋もシーサイドにすればビーチリゾート感覚を十分満喫できますから、家族連れで行く際にはぜひこういったホテルを狙ってみてください。
ホテル以外のプールもエキサイティングでオススメ
ホテルのプールだけでは飽きてしまうという人も、ご安心を。パタヤは大きな観光地、見所はほかにもあります。今回のテーマはビーチ、イコール「泳ぐこと」を主眼に置くと、やはり「プール」を猛プッシュさせてもらいたいですね。
アニメ専門チャンネル発「ガートゥーン・ネットワーク・アマゾン」
ここで紹介するプールはテーマパーク型。パタヤ市街地から近いところでは「ガートゥーン・ネットワーク・アマゾン」があります(タイ語では『”カ”ートゥーン』ではなく『”ガ”ートゥーン』)。アメリカのアニメ専門チャンネルのプール・パークで、大人でも楽しめるアグレッシブなスライダーなどがあります。ほぼ向かいには、タイの伝統的な水上マーケットをモチーフにした近代的な施設「パタヤ水上マーケット」もありますので、ぶらぶらと出かけて楽しめるエリアです。
ちなみに、こちらの施設を通り過ぎてさらに奥へ行くと、「シルバーレイク・ヴィンヤード」というワイナリーがあります。外にはおいしいイタリアンレストランがあり、ブドウ畑や工場も見学でき新鮮なブドウジュースが堪能できます。
高級かつ安心安全「ラーマーヤナ・ウォーターパーク」
その隣には、タイ最大のプールと謳われる「ラーマーヤナ・ウォーターパーク」があります。垂直落下の大人向けのスライダー、波つきの流れるプール、子ども用の水遊びゾーンのほか、なぜか立体迷路まであるプール尽くしのテーマパークです。予約制ですが、市街地からバスもあってアクセスもよく、家族客はプライベートのビーチハウスも借りることができます。
ラーマーヤナは管理が行き届いて安心安全ですが、ちょっと高めです。執筆時点で、大人1190バーツ(約4170円)、子ども890バーツ(約3120円)ほど。もちろん、この金額分の魅力は十分にあります。ですが、ちょっと高いし、それでも遠いという人には「パタヤパーク」をオススメしましょう。
リーズナブルだけど自己責任? 「パタヤパーク」
ここはパタヤと隣のジョムティエン・ビーチの間にある、タワー型のホテルに併設されたプールです。ホテルは中級以下のレベルで安く、パタヤパークの入場料もひとり100バーツ(約350円)。ただ、昭和臭がすごくて、スライダーも昔ながらのもの。流れるプールもシンプルです。
前出のラーマーヤナは従業員がスライダーを毎日点検、むき出しの濡れた肌にはちょっとした凹凸もケガの元、ちょっとした底面のささくれにも注意しているのだそう。その1/10の価格のパタヤパークはどうなんでしょう。もちろん毎日は見ていないでしょうね。そういったリスクがあっての350円ではあります。
ビーチといったら新鮮かつリーズナブルなシーフード
さて、ビーチリゾートで欠かせないものと言えば、やはりシーフードではないでしょうか。せっかく海に来たのだから、おいしいエビや貝をを安く食べたいとは誰もが思うはずです。しかし、パタヤは観光地化が激しく、残念ながら物価が高め。人気のシーフード店はウォーキングストリートにもありますが、高いし、バーエリアのど真ん中。家族では行きづらいので、ほかの店に行くべきでしょう。
地元民に大人気のシーフード店「ムン・アロイ」
そこでオススメしたいシーフード料理店は、ノース・パタヤのエリアをずっと北に行った地域にあります。ちょっと市街地から離れますが、地元民に人気で、かつ外国人でも入りやすいので自信を持ってご紹介したいところです。
ナグルアという地区の北側にある、「ムン・アロイ」というお店。海沿いのテラス席や、雨の日のための屋根つきの席などがあり、とにかく大型店ですので、ひと家族の人数なら予約不要なのもいいところ。料理もオーソドックスで、生ガキ、エビやカニの炭火焼き、トムヤムスープにチャーハンなど、タイ料理や中華料理が盛りだくさんです。予算も4~5人程度のひと家族なら2000バーツ(約7000円)も見ればお腹いっぱいです。
リーズナブル! タイ式シーフードの楽しみ方
ただ、タイにおいて7000円はちょっと高いですよね。そんな低予算派にはずばりタイ式シーフードの楽しみ方をご紹介。それは、先のムン・アロイの手前にある「ナグルア市場(タラート・ナグルア)」にまずは向かうことです。市場は、朝6時くらいには始まり、夕方ちょっと前くらいにはぼちぼち店が閉まり始めます。
ここで、エビや魚、貝などを目方で購入。エビは種類によって値段が違いますが、同じ種類で同じ量ならムン・アロイよりも半額くらいで買うことができるでしょう。アジの仲間やカツオらしいものなどは自分で捌く必要があるものの、エビやカニはある場所に持っていけば茹でたり蒸したり、炭火で焼いたりしてもらえます。
購入した魚介類を、表に並んでいる、炭火の窯がある店に持ち込みましょう。1種類あたり30バーツ(約100円)くらいで調理してくれ、数十分後に受け取ったら、市場の隣にある公園へ。ゴザを借り、適当な場所に陣取ったら、手づかみで食べてしまいましょう。ビールは近くの売店で売っていますし、なければ市場向かいのコンビニに行けばいいだけ(ただしタイは小売りに時間制限があり、コンビニは10時~14時、17時~0時のみ販売)。こうすれば、非常に安価にシーフードが楽しめるのです。
島は不便で高いが、やっぱり海は美しい
バンコクにもっとも近いリゾート島、サメット島
パタヤは10~20年前と比較すると格段に海の色がきれいになりました。それでも、プーケットやサムイと比べればまだまだ。沖のラン島に行けばそれなりにきれいですが、もし多少時間があるのであれば、パタヤからさらに東にあるサメット島に足を運んでみてください。
バンコクから車で3時間ほどのラヨーン県のバーンペーという村、そこから乗合船などで渡れます。国立公園のため入島料がかかりますが、ビーチはきれいですし、宿泊施設も充実。また、夜はビーチに席が並べられ、ディナーが楽しめるようになっています。
サメット島はバンコクにもっとも近いリゾート島なのではないでしょうか。島内にはいくつか集落とともにビーチがありますが、オススメは三日月型の砂浜が特徴のウォンドゥアン・ビーチです。様々なアトラクションもありますし、波も穏やかで家族連れには最適です。
サメット島はバンコクから3時間、さらに船で1時間。もしこれだけ時間をかけるなら、案外プーケットにも行けてしまいます。とはいっても、プーケットは物価がおそらくタイで一番高いレベルですし、なにより人が多いです。それであれば、プーケットの隣にあるヤオ島はどうでしょうか。
ガイドブックにも載っていない、無人島だらけの穴場的スポット
バンコクからプーケットまで約一時間半のフライト、空港から船着き場まで船待ちを含めて30分、さらにヤオ島まで30分と見れば、わずか2時間半で島に着くことができます。ガイドブックにもほとんど紹介されないような、小さな島ですが、ビーチが非常にきれいです。
ここはヤオ・ノイ(小ヤオ島)とヤオ・ヤイ(大ヤオ島)の兄弟島で、ヤオ・ノイの方が栄えています。どちらもイスラム教徒が多く、アルコールが飲める場所がかなり限られますが、バイクに鍵をつけっぱなしでも盗まれることがない、非常に治安のいい島です。
ホテルもゲストハウスから高級ホテルまで揃っていますし、なにより、島周辺には無人島がたくさんあります。ここに漁師の舟をチャーターして渡れば、そこはその日一日、自分たちのプライベートビーチ。飲みものや食料をちゃんと確保して渡る必要がありますが、こんな贅沢はほかにはありません。費用は船のチャーターだけで、だいたいですが、半日貸し切りが3000バーツくらい(約10500円)。
タイは人気国で、どこもかしこも日本人に行き尽くされた感がありますが、実はまだまだ知られていない秘境はあるのです。これもタイのビーチの楽しみ方のひとつです。
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編集:ネルソン水嶋
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この記事を書いた人
高田 胤臣
1977年、東京生まれ。1998年に初訪タイ、2002年からタイ在住。タイの救急救命慈善団体「華僑報徳善堂」唯一の日本人ボランティア隊員。現地採用社員としてバンコクで日系企業数社にて就業し、2011年からライターになる。単行本数冊、AmazonKindleにて電子書籍を多数発行。執筆のジャンルは子育てネタからビジネス関連まで多岐に渡る。最近は「バンコク心霊ライター」の肩書きがほしく、心霊スポットを求めタイを彷徨う。