ミャンマー庶民に「偽ビーチ」が大人気! 遠くのリゾートより近くの川辺

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夏だ! 海だ! リゾートだ! そんな季節、みなさんいかがお過ごしですか? 7月の海外ZINEは『海外のビーチ・リゾート』と題しまして、世界各地から最高のオーシャンビューを集めてみました。今夏に向けて盛り上がりましょう。ミャンマーにはアジア屈指のビーチがある……のですが、それは富裕層や外国人観光客が楽しむばかり。庶民のビーチもありますが、都市部からも遠く、なんと最近それに模した偽ビーチが生まれたそうです!

 

ミャンマー庶民のビーチ『チャウンター』

国境線の半分近くを海岸線に囲まれたミャンマー。しかし、軍政下の長い経済低迷で中産階級の発展が遅れ国内旅行があまり盛んではなかったため、リゾート開発されたビーチはわずかしかありません。その代表格が、ベンガル湾に面したチャウンターとンガパリです。

こちらはチャウンタービーチ沖合いにあるテピュー島。チャウンターから日帰りで訪れる人気の無人島で、島の真ん中に小さなパゴダがああります。ミャンマーでは、たいていのビーチないしはその沖合いの島や岩にパゴダがあるのがお約束なのです。

チャウンターは、最大都市ヤンゴンから最も近いビーチとして知られています。それでも間には高い山脈がそびえるため車で約6時間かかり、空港がないので飛行機では行けません。海岸線には手頃な価格のゲストハウスから中級クラスのホテルが並ぶ庶民のビーチで、11月から3月にかけての乾季には若者グループや家族連れ、社員旅行などで大賑わいとなります。

日差しが強い昼間は人があまりおらず、早朝と夕方には混み合うのは「東南アジアビーチあるある」で、チャウンターも例外ではありません。

同じく「東南アジアビーチあるある」なのが、白馬に縞模様を描いた「人工シマウマ」。ビーチで馬に乗るアトラクションというのはまぁわかるとして、なぜ白い馬をわざわざシマウマに改造する必要があるのでしょうか。それの何が楽しいのか。理由を知っている人がいたら、ぜひ教えていただきたいです。

 

セレブや外国人御用達のビーチはンガパリ

チャウンターの南方にはングエサウンというビーチもあり、こちらは高級ホテルが多く、チャウンターよりもハイソな客層となっています。そして、ングエサウンの上を行くのが同じベンガル湾沿いにあるンガパリです。

ミャンマー人富裕層や外国人観光客をターゲットに政府主導で開発した高級リゾートで、ビーチスポーツなどがまったくといっていいほどないほどの静けさが売り。有名な欧米系旅行サイトで、アジアNo.1ビーチに選ばれたこともあり、静寂を好む欧米人観光客に特に人気が高いのです。バスでも行けなくはないですが、高級リゾートだけにほとんどの旅行者は飛行機で訪れます。

 

ヤンゴンからはどこのビーチも遠過ぎ……だったら!?

このように、ヤンゴンっ子がビーチに行こうとすると飛行機を利用するか、最低でも車に6時間揺られなければなりません。

しかし地図を見るとおわかりいただけますが、ヤンゴンからの距離だけで見れば1番近い海は、車で約2時間南へ行った先のモッマ湾なのです。実はここにも、レコッコンなど2,3のローカルビーチがあります。

レッコンコンビーチがこちら。漁師の姿はあれど観光客の姿はほとんど見当たりません。実はこのエリアは砂浜というより泥浜

歩くだけで足首まで泥に埋まる真っ黒なビーチで、ヤンゴンっ子にはあまり人気がないのです。(すいません。汚い足をお見せして……)

ビーチには行きたい。でも移動にお金も時間も使いたくない。

そんなヤンゴンっ子のために数年前、とある「ビーチ」が開発されました。それがニャウン村のチャウンター、人呼んで「偽チャウンター」です

 

ヤンゴン至近の人気「ビーチ」(?)を徹底紹介

では、話題の偽チャウンターをご紹介しましょう。

ヤンゴンからチャウンター方向へ車で約2時間ほど行くと、漁村らしきところに到着します。はて、海はまだまだ先のはず……。駐車場に車を止め、村を通り抜けると土産物が並ぶエリアに。

浮き輪や麦藁帽子が店頭に並び、いかにもビーチのお店という感じですね。

さらに進むと入場券売り場があり、橋を渡るとビーチへ出られるようです。お弁当やゴザなどの大荷物の家族連れが増えてきました。

こちらに並ぶのは海の家。ミャンマーの庶民ビーチには、掘っ立て小屋風の店がビーチ沿いに並び、ドリンクや軽食を売ったり、着替えをするためのスペースを貸したりするのですが、これらの小屋はまさにそれ。

その前で貸し出ししているのは浮き輪です。浮き輪じゃなくってタイヤチューブじゃないのかって!? はい、これも「東南アジアあるある」なんです。そしていよいよ……

ジャーン! こちらが「偽チャウンター」ビーチです!

一見、ただのローカルビーチ。しかし……

ちょっと引いて見るとわかりますが、ここは海ではなく川。ミャンマーの内陸部には海はありませんが大河ならある。「そうだ、川岸をビーチにみたてて海の家やビーチチェアとか置けば、雰囲気出るんじゃね?」という発想のもとに生まれたのがチャウンターの偽物「偽チャウンター」なのです。

メコンデルタの川なのでどうしても茶色いですが、近くで見ると水はけっこうきれい。

川なので、海の家ならぬ川の家の名物は川魚や川海老。ミャンマービールとともに川辺のテーブルセットで味わえば、十分気分はビーチのはず。

こちらは日帰りで「川水浴」にやってきた親戚同士のグループ。うん、楽しそうです。

偽チャウンターは乾季のみの営業ですが、年々観光客が増え、人気「ビーチ」に育ってきました。

 

夜明けを迎えたミャンマーのビーチ開発

近場にビーチがほしいというヤンゴンっ子の希望を叶えて、人気を博した偽チャウンター。とはいえ、ここ数年でミャンマー人の旅行に対する接し方は大きく変わってきました。経済発展につれてミャンマー人の中流化が進み、国内旅行がブームになったのです。

そうするとただ「ビーチに行きたい」から一歩進み、「ビーチで○○をしたい」「○○なビーチに行きたい」といったカスタマイズの要求や差別化が起こってきました。今、ミャンマーでは、こうした人々の欲求に沿ったビーチ開発が始まっているのです。

そんななか、昨年評判を得たのがチャウンターやングエサウンの並びにできたゴウヤウンジービーチ。

チャウンターほどは混んでおらず、ビーチフロントのコテージは簡素とはいうもののンガパリに比べればずっと安い。さらに小舟で少し沖合いに出れば、奇岩が海面に突き出る光景も楽しめる。「人と違ったビーチに行きたい」、「インスタ映えする写真が撮りたい」といった若者たちの流行に合致したのでしょう。

まだまだ手付かずの美しい海岸線が残されているミャンマー。来年以降も、続々と新しいビーチが生まれそうです。在住者としては、いずれ人気リゾート国になれると信じています。

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この記事を書いた人

板坂 真季

板坂 真季

ガイドブックや雑誌、書籍、現地日本語情報誌などの制作にかかわってウン十年の編集ライター&取材コーディネーター。西アフリカ、中国、ベトナムと流れ流れて、2014年1月よりヤンゴン在住。エンゲル係数は恐ろしく高いが服は破れていても平気。主な実績:『るるぶ』(ミャンマー、ベトナム)、『最強アジア暮らし』、『現地在住日本人ライターが案内するはじめてのミャンマー』など。Facebookはこちら

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