海外ZINEも今日で一周年なので、はじめた経緯やこだわりなどを書いてみます。

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海外ZINEは今日で一歳になりました

おめでとうございます!!

と、自ら言ってみました。実は今日、海外ZINEは1歳を迎えます。一周年。読者のみなさん、こんにちは。読者じゃないよと言ってもこれを開いている今は読者だよ。編集長のネルソン水嶋です。

ふだんはほとんど裏側でぺろぺろ編集ばかりしている私ですが(いい擬音が思い浮かばない)、節目ということで今回くらいは編集長としてこの一年を振り返ってみようかと思いまして、今これを書いてます。編集長、と言ってもひとり編集部ですけどね。どうぞよろしくお願いいたします。もしかしたら若干自分語りも入るかもしれませんが、私という人間の仕様なので許してください。

 

これまでに28人で23カ国の記事を119本公開しました

なにかのジェネレーターの結果みたいな見出しになりましたが、海外ZINEはスタートしてから一年! この雄大なインターネットの海ではペーペーもいいとこですが、何もないところからはじめた立場としてはこの数字にちょっと感激しております。そうかー、ここまでになったかー、最近までこーんなっ…小さかったのにな~!! という、返事に困る親戚のおじさんみたいな気持ちです。

公開された記事で取り上げられた国名を挙げると、ボリビア、ブラジル、ポーランド、メキシコ、ニュージーランド、カタール、スーダン、タンザニア、サウジアラビア、ロシア、ペルー、アメリカ、ドイツ、イタリア、アルゼンチン、韓国、中国、タイ、ベトナム、ルワンダ、インドネシア、ミャンマー、オーストラリア…! 確かに23ですね、夢じゃなかった。たぶん。

改めまして、ライターのみなさんはもちろん、運営会社のトラベロコ! システムやデザインなどサイト構築に関わる方々! 弊サイトを取り上げたりコラボレーションしてくれるメディアの方々! あとFacebookやTwitterなどのSNSなどで反応してくれるみなさまも! そしてなにより、読みつづけてくれるみなさんに! 海外ZINEを代表して御礼申し上げます!! ありがとうございます。

SNS? 知らんぞ! 勝手すな! という方はこちらから(TwitterFacebook)ぜひどうぞ。毎日過去記事の紹介をしていますよ! あの、あれだ、自動ツールが! たまに手動で私も書いてるよ。

 

 

海外ZINEをはじめた経緯(いまさらだけど)

こういうのって、はじめた当初はとてもこっ恥ずかしくて書けるものではないですからね。というより中身がないのに言ってもしょうがないので、これまで書こうとも思わなかった。でも100記事以上もある今ならもう書こうかと。気になっている方もいると思うので……いなくても書くけどね!

海外ZINEは2017年の春頃に、トラベロコからの「オウンドメディアをはじめたい」という相談により企画が立ち上がりました。なぜ私に白羽の矢が立ったかというと、もともと役員の一人と同じベトナム在住者同士で面識があったからです。そう、実はコネ採用! いやいや、ウソウソ、信じないで。その前から別件でライターとしてちょこちょこトラベロコと仕事をしていたからです。

その肝心のサイトの内容は「任せる」ということで、編集長はおろか編集作業もやったことないんだけど……と戸惑いながらも、いちおう数日考えてみてイエスと返事。それは当時、自分自身がベトナム生活を通して異文化(海外)のおもしろみを感じており、きっと世界各地でも同じはずだ! 確かめたいし、伝えたい! という思いがあったから。それがそのままコンセプトの下敷きに。

 

海外ZINEの命題は、「知らない世界への興味を促したい」。

それからは、参加してくれるライターの方を探すべくネットの海へ。ここはいやらしくなりそうだからサックリ済ませると、基準は「現地に住んでいるor住んでいたこと」「取材対象と同じ目線であること(ステレオタイプで見ない)」でした。というのも、さきほど書いた「異文化のおもしろみ」は、自身の経験からも観光でちょっと触れただけでは到底説明できないと考えていたから。

たとえばベトナムの都市部は週末の夜ともなると道路がバイクで溢れかえるのですが、(取材で)彼らに「どこへ向かってるの?」と聞いたところ、「走ってるだけ」「涼みたいから」「家でひとりになれないから」と教えてもらったことがあります。もちろんこれで全体は語れませんが、そこでようやく「ベトナムの家に冷房やひとり部屋が少ない」という背景をはじめて理解できた。

異文化に驚けど、背景が分からないままでは異文化のおもしろみとは程遠い、「一方的な見世物感覚」で終わると私は思います。もちろん、それがわるいとは言わないし、外国人でそこまで知れる人の方が少ないでしょう(自分は仕事だったから知った)。だからこそ、その背景をウェブで伝える価値がある。そういう理由から、前述の基準でこの人はと思った方に声を掛けつづけました。

その基準は今でも変わりませんし、比較的在住年が若い人には現地の声を拾うようにお願いしています。だんだん何が言いたいのか分からなくなってきたので、まとめると、こうして日本人の目には奇異にも映る(お互い様なんですけどね!)異文化の背景を紐解き腑に落とすことで、「知らない世界への興味」を持ってもらうことが、海外ZINEの命題なのかもしれません。もしかしたら。

 

「視野が広がる」は、綺麗ごとかもしれないけど、事実。

海外に住めば視野が広がる」と言う人がいます。これは、「綺麗ごとだ」とか、「意識高い」とか、「胡散臭い」とか、散々に言われそうだから今では自分も安易に言わないようにしているのだけど、それでもやっぱりどう考えても、これを私は、確かな事実じゃないかと思っています(マウンティング利用は論外です)。というのも私自身が、この一年で明らかに関心事が増えたから。

それまではベトナム在住者としてベトナムを、あとはタイやカンボジアくらいの周辺諸国くらいにしか興味がなかったのですが、今ではやり取りしているライターの方が住む国、つまり先に挙げた23カ国すべてが範疇にある。自分で言うのもなんだけど、さすがにワールドワイドです。良いニュースも悪いニュースも耳に入れば、「おっ、●●さんの住む国だ」と反応するのが自然になった。

でもこれ、誰だってそうじゃないでしょうか? 家族親戚、知人友人、とくにSNSでつながって近況を知っていれば、その国の存在が前より断然大きくなる。関係すれば、関心が高まる。関心が高まれば、その国に赴き住むこともある。そうして前述の異文化のおもしろみを味わい重ねていくことで、ひとつ確かに言えることは……やっぱり、視野が広がります。だから私は、海外ZINEを通してひとりでも多くの人に、まだ知らない国をあなたと関係のある国にしてほしいと願っています。

ただし誤解のないように書くと、これが海外じゃなければいけないってことはありません。海外、海外、と書きながらも、海外バンザイ! 日本ダメ~! みたいなポジションメディアと思われたくないと念じながらやっています。国内にも異文化はたくさんはらむ。性別、年代、地域、職業、趣味……壁がある数だけ異世界は存在しています。ただ、その中においても、カルチャーショックがすさまじいだけあって、やはりそのメッセージは海外の文化の方が伝わりやすいと思う次第です。

 

今後、海外ZINEはちょこちょこ変化していきます。

最後に。書かなくたってもいいのだけど、これを読んだだれがどう行動を起こすのか良い意味で分からないから、ということで、これからやろうとしていること、やろうかと思っていることも併せて書いておこうかと思います。といっても確定していることはまだひとつだけなのですが、まずは……海外ZINE、1~2ヶ月の間にリニューアルが入る予定です。それにあたって今の「海外文化を愛する人のためのマガジン」というキャッチコピーも変わります。というより、なにげにちょくちょく変わってます、もうそろそろ固まるかな(大事なところが曖昧です)。

レイアウトが変わります

現在、記事リンクが横3列に並んでいるトップおよび記事一覧のレイアウトが、横1列になります。あと最新記事がかなり大きくなる。理由は、何の変哲もありません、そちらの方が強弱もついて見やすいと思ったからです。あと、サイドバーにある国名リストなんかもトップの目立ちやすい位置にきたり。ある日突然、細かいところがいろいろと変わっているかと思います。

コーナー(現在のテーマ)が細かくなります

言葉不足だと思うので補足すると、これまで月替りのテーマに沿って書かれた「特集記事」とその国ならではの文化について書かれた「特選記事」の二種類がありましたが、これが一気に8種類に増えます。実は数ヶ月前からその前提で特選記事の制作を進めてきたのですが、「現地の人へのインタビュー」「ライター自身のエッセイ」「ライター自身の同テーマによる連載企画」「ビジネス記事」といったように。過去の特集も特集で、ある新たなコーナーに振り分けられます。

これは「切り口を増やしたい」という理由から。海外もふくめてなんでもそうですが、前述のようにふつうは「関係しないことには関心を持たない」ので、特色ごとに細分化することで、それぞれに関心を持っている人の元に届きやすくするという施策。まぁ……個人的には、そもそもインターネットという仕組みにおいて、検索から人がたどり着くのを待つよりも、こちらから人に仕掛けるアプローチはないかと思っているのですが。ひとまず今できることをやっておこう! という考え。

そのほかもろもろ

まだ「考えているだけ」なのでひとつにまとめて書いておくと、動画コンテンツ、まだアカウントをつくっているだけで放置しているInstagram、あとは娯楽性の高い漫画コンテンツなども仕掛けていけないかと考え中です。やりたいけどやれていないことは常にあるので、本稿前半に書いた根っこのところは変わらずに、アプローチは手を変え品を変えやっていきたいと思います。

ではでは。最後にちょこっと裏側についても書いてみましたが、今後とも海外ZINEをよろしくお願いいたします!

 

次回はこの一年でのオススメ記事などを紹介します

まだ着手していないので「たぶん今月中」という適当な感じですが、近々、119記事の人気記事なりオススメ記事なりを紹介する記事を公開予定です。よろしくお願いしまっす!

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  • ※記事は現地事情に精通したライターが制作しておりますが、その国・地域の、すべての文化の紹介を保証するものではありません。

この記事を書いた人

ネルソン水嶋

ネルソン水嶋

ブロガー、ライター、編集者。2011年のベトナム移住をきっかけにはじめた現地生活を綴るブログ『べとまる』から『ライブドアブログ奨学金』『デイリーポータルZ新人賞』などを受賞を契機に、ライターに。2017年11月の立ち上げから2019年12月末まで、海外ZINEの編集長を務める。/べとまるTwitterFacebooknote

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