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中国・広州旅行中のインターネット&WiFi利用方法ガイド〜SIMカードの購入方法を紹介

【中国・広州在住者執筆】海外旅行で気になることと言えば、現地でのネット環境と言う方も多いはず。スマートフォンで地図や目的地への行き方を調べたり、現地の言語を翻訳したりと、インターネットが必要になる場面が少なくありません。ここでは、中国・広州でインターネットを使用したい旅行者向けに、おすすめWiFiスポットやSIMカードの買い方、またVPNの使い方についてもご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

広州のインターネット事情

2019年2月に発布された「中国互联网络发展状况统计报告(中国インターネット発展状況統計報告)」によると、中国のインターネット住民規模は8.29億人(前年比5653万人増)インターネット普及率は59.6%だったそうです。

この莫大な需要に応えるため、近年の広州では、ショッピングモール、レストラン、交通機関内など、あらゆる場所で無料WiFiが利用できるようになりました。その範囲は、日本よりも格段に広いと言えるでしょう。ですから、2泊3日などの短期間の旅行では、わざわざ現地のSIMカードを購入する必要はないと思います。

ただし、中には中国国内で使える携帯電話番号を持っていないと使えないWiFiや、WeChat(微信)ユーザーでないと使えないWiFiもあります。またパスワード不要の無料WiFiは、暗号化しないで通信するため、個人情報漏えいなどのリスクを負うことになります。更に、中国はネット規制が厳しいので、そのままの状態では、LINEやFacebook、Twitter、Instagramなどが利用できません。

その辺のメリット・デメリットをご理解いただいた上で、下記のオススメWiFiスポットを参考にして頂ければ幸いです。

広州のオススメのWIFIスポット

空港 おすすめ:★★★★★

広州白雲空港内の無料WiFiを使用する方法です。このWiFiの良いところは、中国の携帯番号を持っていなくても、誰でも利用できるという点です。通信速度も速く、長いトランジット中の暇つぶしにも最適です。

  • ネットワーク名:AIRPORT-FREE-WIFI
  • ログイン方法:3種類(①WeChatを使用する、②中国国内の電話番号を使用する、③「免费WiFi取号机」を使う)

①の場合:ネットワーク選択後に表示されるポップアップ画面から「WeChat Cert」を選択 ⇒ WeChat画面に自動転送されるので「Sign in(もしくはagree)」を選択 ⇒ WiFi接続完了。

②の場合:ネットワーク選択後に表示されるポップアップ画面から「Mobile Cert」を選択 ⇒ 上のタブに自分の携帯番号を入れて送信 ⇒ ショートメールで6桁のパスワードが送られてくる ⇒ 下のタブに6桁のパスワードを入力して「Sign in」を選択 ⇒ WiFi接続完了。

③の場合:「免费WiFi取号机」と書いてある青い機械か、中国南方航空のチェックインカウンター横にある自動チェックイン機を探す ⇒ 機械にパスポートを読み込ませる(南方航空の機械の場合は搭乗券も必要) ⇒WiFiのID(ユーザーネーム)とパスワードが印刷される ⇒ ネットワーク選択後に表示されるポップアップ画面から「Ticket Cert」を選択 ⇒ 先程取得したIDとパスワードを入力して「Sign in」を選択 ⇒ WiFi接続完了。

カフェ&レストラン おすすめ:★★★★☆

広州では、どんな小さな飲食店にも、基本的には無料WiFiが飛んでいます。壁にネットワーク名とパスワードが貼ってあることが多いのでよく見てみましょう。対象のネットワークを選択し、パスワードを入力するだけで接続できます。パスワードが分からない場合は、店員さんに尋ねると教えてくれます。

  • WiFiパスワードの尋ね方
    英語「Can you tell me this WiFi password?」
    中国語例「WiFi密码多少?(WiFi mìmǎ duōshǎo?)/ワイファイ・ミーマ・ドゥオシャオ」



また以下は、パスワードなどの入力なしで、無料WiFiを提供してくれる主なチェーン店です。インターネット環境が手に入るので、旅行者にはお勧めです。

カフェ&レストラン名 備考
コスタ コーヒー(咖世家/Costa Coffee) 全店舗
ワガス(沃歌斯/Wagas) 全店舗(一部店舗で中国の電話番号が必要)
パシフィック コーヒー(太平洋咖啡/Pacific Coffee) 全店舗
  • 利用方法 スマホPC・タブレットでWiFi接続画面を開く ⇒ 対象のネットワークを選択 ⇒ ポップアップ画面が起動 ⇒ 「登陆/链接」を選択 ⇒ WiFi接続完了。



中国でもスターバックスやマクドナルドにて無料WiFiは利用可能ですが、ログインの際に中国の電話番号が必要になるため、あまり旅行者向きではありません。ただしWeChat(微信)ユーザーなら、アプリを通して接続できることもあります。

カフェ&レストラン名 備考
スターバックス(星巴克咖啡/Starbucks) 258店舗以上(中国の電話番号が必要)
マクドナルド(麦当劳/McDonalds) ほぼ全店舗(中国の電話番号が必要・制限時間30分間)
  • 利用方法 スマホPC・タブレットでWiFi接続画面を開く ⇒ 対象のネットワークを選択 ⇒ ポップアップ画面が起動 ⇒ 中国の電話番号を入力 ⇒ ショートメールでパスワードが送られてくる ⇒ パスワードを入力して「登陆/链接」を選択 ⇒ WiFi接続完了。

ホテル おすすめ:★★★★☆

基本的にどこのホテルにも、WiFiの電波が飛んでいます。部屋にパスワードの紙が置いてある場合もあれば、フロントでチェックインするときに設定の仕方を教えてもらえることもあります。各ホテルによって方法は異なるので、スタッフに尋ねてみてください。
なお、ホテルの部屋によっては電波状況が悪かったり、1階のフロント付近でしか無料WiFiが使用できなかったりする場合もあります。予約前に問い合わせてみると良いでしょう。

地下鉄 おすすめ:★★★★☆

中国の携帯電話番号を持っていれば、「花生地铁」というアプリを通じて、広州地下鉄の駅構内や車両内でも無料WiFiにつなぐことが可能です。またこのアプリがあれば、北京や上海など、中国国内の他都市の地下鉄でも利用できます。ただし、地下鉄内が混雑していて、WiFiの利用者が多い時間帯は、接続がややしづらいのが欠点です。

  • アプリの設定方法
  1. スマホに「花生地铁」をダウンロード(花生地铁官网
  2. アプリを開き、位置情報とWiFi通知をオンにする
  3. ページ左下の「福利」を選択
  4. 「登录后才可以使用地铁WiFi」の文字の下にある小文字「点击登录」を押す
  5. 画面中央下寄りの小さい赤文字「新用户注册」を押す
  6. 「请输入手机号」に携帯電話番号を入力後、右側の赤文字「获取验证码」を押す
  7. ショートメールでパスワードが送られてくる
  8. 先程のページの2段目「请输入短信验证码」にパスワードを入力
  9. 3段目「设置密码」に自分で好きなパスワードを決めて入力
  10. 「请拖动滑块到位置」と書かれた横に赤文字で数字が表示されるとともに、その下に4つの数字が並ぶので、同じ数字のところにツマミをスライドさせる
  11. ショートメールでパスワードが送られてくる
  12. 先程のページの2段目「请输入短信验证码」にパスワードを入力
  13. 「我已阅读并同意」にチェックを入れた後、「下一步」を押す
  14. アプリを立ち上げ直し、電話番号と先程自分で設定したパスワードを入力して再ログイン ⇒ アプリ設定完了。
  • アプリの利用方法 スマホでWiFi接続画面を開く ⇒ 「广州地铁WiFi」というネットワークを選択 ⇒ アプリを立ち上げ、左下の「福利」を選択 ⇒ 「链接WiFi」を押す ⇒ WiFi接続完了。

無料WiFiスポットの安全性について

20019年5月、広州の地方紙「南方都市報」は、暨南大学の計算機科学・技術専攻の学生たちに依頼して、広州市下の主要ショッピングモール、商店街、店舗、テーマパークなど、20か所における無料WiFiの安全度調査を実施しました。
この調査で分かることは、各所における盗撮・盗聴、個人情報漏えい、ウイルス感染などの危険性の高低です。100点満点中、数字が高ければ高いほど安全性が高く、低いほど危険性が高まります。ここでは70点以上を獲得し、「安全性が比較的高い」と評価された4スポットを紹介するとともに、被害に遭わないための安全対策についてもご紹介します。

安全性の高い無料WiFiスポット

  • 五月花広場(五月花广场:Wǔ yuè huā guǎngchǎng)84点
    ジャンル:デパート
    ネットワーク名:Mayflower
    広州市越秀区中山五路68号(地下鉄2号線「公園前」駅近く)

  • 上下九歩行街(上下九步行街:Shàngxià jiǔ bùxíngjiē)82点
    ジャンル:歩行者天国の商店街
    ネットワーク名:上下九官方wifi
    広州市茘湾区上九路46号および下九路6号(地下鉄1号線「長寿路」駅および6号線「文化公園」駅近く)

  • 正佳広場(正佳广场:Zhèngjiā guǎngchǎng)74点
    ジャンル:デパート
    ネットワーク名:Zhengjia-FreeWiFi
    広州市天河区天河路228号(地下鉄1号線「体育中心」駅およびAPM線「天河南」駅近く)

  • 太古匯(太古汇:Tàigǔ huì)74点
    ジャンル:デパート
    ネットワーク名:TaikooHuiGuangzhou
    広州市天河区天河路383号(地下鉄1号線「石牌橋」駅近く)


公共エリアでの無料WiFiに"絶対安全な場所"など存在しませんが、上記4スポットはその中でも比較的安全であると言えるようです。ただし現地で使える電話番号を入力してからショートメールを通じてパスワードを取得し、それを入力してログインするタイプや、WeChat(微信)を通してログインするタイプが殆どです。利用者は、中国のSIMカードをお持ちの方や、WeChat(微信)ユーザーに限定されます。

安全対策について

  • 無料WiFi利用時は、自動接続機能を使うのではなく、手動選択で接続する
  • 情報が暗号化されたWiFiを利用する(iPhoneで暗号化されていないWiFiにつなごうとすると、「セキュリティに関する警告」という表示が出るため分かりやすいです)
  • 暗号化されたWiFiのうち、WEP接続ができる場合は、それを選択する(暗号化にもWEP、WPA、WPA2等いくつか種類がありますが、WEPが一番信頼できます)
  • 無料WiFi利用時は、ネットバンクやオンライン取引をすることを避ける
  • 無料WiFi専用のメールアドレスとパスワードを用意する(WiFi利用時にメールアドレスや会員登録を要するものもあります。専用のフリーメールアドレスを用意しておけば、万が一個人情報が流出しても問題ありません)



ファストフードやカフェなどのチェーン店に飛んでいる無料WiFiは、殆どが暗号化されていません。ですので、簡単に情報漏えいが起こってしまいます。できるだけ、ネットサーフィンやYouTubeを見るだけの利用に抑え、メールや仕事関係の重要なアカウント等にはログインしない方が良いでしょう。

参考:别乱连wifi!广州商圈免费wifi测评 哪些最易被入侵

中国でのネット規制対策について

中国では、中国政府に害を与える情報を取り締まることを目的に、「金盾」「グレートファイアウォール(GFW)」と呼ばれるインターネット規制を厳しく施しています。この規制により、海外からの多くの情報が遮断されているという話は有名です。
以下に、中国で規制対象となっている海外の代表的なサイト・サービス(以下A)を挙げるとともに、その代用サイト・サービスとして中国で独自開発され、広く使われている物(以下B)を対比させてみました。

用途 A:中国で規制対象の海外版サイト・サービス B:中国で利用されているサイト・サービス
検索する Google/Yahoo! 百度
チャットする LINE/KAKAO/Messenger 微信/QQ
TV電話する Skype 微信/QQ
投稿する Facebook 人人网/微信(朋友圈)
つぶやく Twitter 微博
写真を見る Instagram 美拍/快手/美图秀秀
動画を観る Youtube/ニコニコ動画 优酷/bilibili
音楽を聴く Apple QQ音乐/虾米音乐
ドラマを観る Netflix 爱奇艺/腾讯视频
タクシーを呼ぶ Uber 滴滴出行

これらAのサイトやサービスは、中国でアクセスおよび利用ができません。またネット規制は年々強化されており、現在中国でも利用できているサイトが、ある日突然使えなくなったりもします。旅行中の数日間、日本の情報が見られない・得られないだけならば、まだ我慢ができるでしょうが、日本にいる家族や友人と連絡が取れないことは、お互いにとって非常に不安なことかもしれません。その解決方法として、以下の二つを提案します。

1. 自分のスマホやPCで、VPNが利用できるようにしておく。
VPNとは「Virtual Private Network」の頭文字で、中国国外のサーバーを使用して、自由にインターネットを利用できるようにするサービスです。これを使えば、中国でもLINEやFacebookなどが従来通りに利用でき、日本の家族や友人たちとも連絡が取れます。無料のVPNと有料のVPNがありますが、無料のものは速度が遅く、途中で断線することが多々あります。安定したネット環境を必要とされる方は、やはり有料のものを契約されることをオススメします。VPNの設定方法は、各社により異なりますので、提供会社に直接問い合わせてください。

  • 筆者のおススメ有料VPN「良之助VPN」 中国で7年以上使用していますが、一度も規制に掛かったことがありません。一つのアカウントで、PCとスマホの両方(最大3台まで)で利用できますし、料金もリーズナブルです。また、何かトラブルがあった時は、日本から遠隔操作で解決してくれるので安心です。

2. 日本の家族や友人にもBのサイトやサービスを利用してもらい、その中で交流する。
最も簡単かつ、お金のかからない方法です。普段、主にLINEで連絡を取り合っていたという相手には、必ず「微信(WeChat)」アプリもダウンロードしてもらうようにしましょう。というのも、LINEはVPNを使っても通信できなくなる時が多々あるからです。もしもの時の為に、微信でも連絡が取りあえるようにしておくと安心でしょう。

SIMカードの購入とポケットWiFiのレンタルについて

現在、中国では海外からの短期旅行者向けのプリペイドSIMカードを販売していません。
2016年10月から、中国全土でSIMカード契約の際の実名登録が義務付けられるようになり、これに伴って、大手キャリアが6か月未満の短期契約を不可としたためです。

さらに、SIMカード販売店は、通信キャリア各社の営業所、もしくは販売許可証を持っている販売店に限定され、購入時には、身分証明書(外国人の場合はパスポート)の提示も必要になりました。外国人への販売ができない店舗も増えています。

そのため、海外からの短期旅行者が、中国でSIMカードを購入することは大変難しく、多くの旅行者が現地の無料WiFiを使用しながらやり過ごしているのが現状です。中国は無料WiFiの数が日本よりも多いので、数日間の滞在なら困ることもないでしょうが、いざと言うときに連絡が取れなかったり、必要な情報が得られなかったりして、心配は尽きません。

そこで、短期旅行者向けにオススメしたいのが、以下の二つの方法です。
1. 日本で、中国でも使えるプリペイド式SIMカードを事前購入しておく。
2. 日本で、ポケットWi-Fiを借りておく。

以下に詳細を記載します。

日本で、中国でも使えるプリペイド式SIMカードを事前購入しておく

日本のAmazonなどで、事前に「中国旅行者向けSIMカード」を購入しておき、現地でスマホに挿しこんで、海外ローミングしながらネットする、と言う方法です。
このSIMカードは、香港の会社「中国聯通香港」「中国移動香港」が販売する商品がオススメです。輸入品なので、香港の現地で買うよりは高くつきますが、1枚1,000~1,500円(4G、8日間、最大2GB)程度なので許容範囲でしょう。また、このSIMカードを使えば、中国大陸と香港の両方で使用でき、大陸のネット規制を受けないところもポイントです。(LINEやFacebook、Twitter、Instagramがそのまま利用できます)

日本でポケットWiFiを借りておく

現地でネット通信環境さえ整えば、電話番号は必要ないという方には、こちらの方法をオススメします。筆者のオススメは、レンタル海外用ポケットWiFi「イモトのWiFi」です。いくつかプランがありますが、このうち「プレミアム回線プラン」を選択すれば、中国のネット規制を受けることもありません。通信料は1日当たり約1480円(4G/500MB/日)と、プリペイド式SIMカードに比べて高くなりますが、使い放題なので大変便利でしょう。ただしWiFiルーターの充電の管理はしっかりしなくてはなりません。

SIMカード不要?! 話題のクラウドSIM

WiFiルーターをレンタルする人も多いと思いますが、海外でネットを使う手段のひとつに、今話題の「クラウドSIM」というサービスがあります。
なんとSIMカードが不要で、全世界100ヶ国以上で使用可能です。
こちらはレンタルではなくクラウドSIM搭載の機種の購入が必要ですが、海外に着いたらスイッチひとつでインターネットへの接続が可能です。
旅行から帰ってきてからも日本国内でも利用可能なので、WiFiサービスはこれ一台でOKです。

特に一度に複数の国に行かれる方には断然おすすめなサービスです。

おすすめはグローカルネット
こちら初期費用として、機種代、月額基本料金プラス海外利用料が780円(300MB)/日~で利用可能です。

まとめ

以上です。いかがだったでしょうか。
中国でインターネットを利用しようとすると、日本では当たり前に利用できていたサイトやサービスが使えないことがあり、不便さを感じるかもしれません。しかし事前にきちんと対策を打っておけば、旅行中慌てたり不安になることもありません。また、無料WiFiスポットが多いのも有難いことです。
その他、分からないこと、知りたいことがあれば、ロコタビの無料Q&Aで質問もできますのでぜひ利用してみてくださいね!皆様の愉快な旅路をお祈りいたします。