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中国・広州入国審査・出国手続き〜出入国カード、イミグレーション

【中国・広州在住者執筆】いよいよ中国・広州へ向けて出発の時が迫ってきました! どこへ行こう? 何を食べよう? 多くの期待に胸を膨らませていることかもしれません。でもちょっと待ってください。基本的なことですが、パスポートの有効期限は切れていませんか? その旅程、ビザの必要はないですか? スーツケースに入れたその品物、持ち込みに問題ないですか?今回はそんな出入国に関わる疑問を、一つ一つ解決していきたいと思います。正しく準備をして、楽しい旅行に備えてくださいね! 

出発前のチェック

パスポート

中国入国時、パスポートの有効残存期間が6ヶ月以上あることが望ましいとされています。

ビザ

中国ビザとは、中国に入国/出国、あるいは通過しようとする外国人に対して、中国の政府機関が、中国の法律法規に則して発給する「許可証明」のことです。外国人の身分や渡航の目的、またパスポートの種類などにより、必要となるビザの種類が異なります。

ただし、中国は2003年9月より、一部の国の国民に対してノービザ制を実施しています。日本も対象国の一つに加えられていますので、滞在日数が15日以内の一般的な旅行でしたら、中国ビザを取得する必要はありません。詳細は以下の通りです。

中国ビザが免除される場合

一般旅券(パスポート)を持つ日本国民が、
1. 観光・商用・親族/知人の訪問、もしくは通過の目的で中国に入国する場合。
2. その滞在日数が15日以内(入国日を含む)である場合。

中国ビザが必要な場合

一般旅券(パスポート)を持つ日本国民が、
1. 観光・商用・親族/知人訪問の目的で、中国に15日間を超えて滞在する場合。
2. 留学・就労・定住・取材等の目的で中国を訪れる場合。
※また、日本の外交・公務用パスポートを所持する方も、ビザが必要となります。

参考:中国ビザ申請センター(わたしは中国ビザの申請が必要ですか?)

持ち物

中国国内への持ち込みが禁止されている物

  • 危険物(武器、火器、爆発物、刃物など)
  • 中国の政治、経済、文化、道徳に有害な印刷物やフィルム(ポルノ含む)
  • 危険薬物(覚せい剤、ヘロイン、大麻、LSD等)
  • 病害虫の恐れのある動植物およびその製品(果物、野菜、肉類など)
  • 偽造品など

上記のうち多くが、どこの国への入国の際にも、共通して持ち込みが禁止されている物品です。中国はこれに加え、反政府主義的な物品の持ち込みを堅く禁じているので、十分に注意してください。

中国国内への持ち込みが制限されている物

  • 外貨(5000米ドル相当額以上は税関で申告が必要)
  • 人民元(現金2万元を超えると申告が必要)
  • タバコ(400本を超えると申告が必要)
  • アルコール類(1.5ℓ以下×2本を超えると申告が必要)
  • 香水(個人使用範囲を超えると申告が必要)
  • 出版物(10冊を超えると申告が必要)
  • 音楽・映像ソフト(CD等20枚を超えると申告が必要)
  • 家電製品(各1台を超えると申告が必要)
  • 贈答品(2000元相当以上は申告が必要)など

他人へのお土産などで、同一商品を複数持ち込もうとすると、転売目的と見なされ、税金をかけられることがありますのでご注意ください。

中国へ持ち込む際、量に関わらず申告が必要な物

  • ベビーミルク
  • ベビーフード
  • 医薬品

これらは申告することで持ち込みが可能です。ただし大量に所持していると、転売を疑われることがあるので、常識の範囲内で収めましょう。

参考:广州海关

広州の入国手続きの流れと所要時間

1. 入国カードの記入

中国へ入国する際には、入国カードへの記入が必要です。
入国カードは、通常の場合、中国へ向かう飛行機の中で、客室乗務員から配られます。一人一枚必要ですので、人数分貰いましょう。もし貰えなかったとしても、着陸後、空港内イミグレーション前のカウンターに設置してあるので、心配する必要はありません。
予め筆記用具を用意しておき、機内で書けるようにしておくとスムーズです。

中国の入国カードは、上の写真の通り、「外国人入境卡(Wàiguó rén rùjìng kǎ/ワイグオレン・ルージン・カー)」と言う、細長い長方形をした黄色い紙のことを指します。出国カード(外国人出境卡:Wàiguó rén chūjìng kǎ/ワイグオレン・チュージン・カー)と対になっていますので、記入の際は切り離して使います。

入国カードの書き方

入国カードは、ローマ字(英語)で書いても漢字で書いても構いません。ただし中国の漢字と日本の漢字は若干異なるので、不安な方はローマ字(英語)で書くことをオススメします。★印の⑧⑨は、ビザをお持ちの場合のみ記入してください。

/Family Name(名字)
/Given Name(名前)
国籍/Nationality(国籍)
护照号码/Passport No.(パスポート番号)
在华住址/Intended Address in China(中国での滞在先住所)
性别(男/女)/sex(Male/Female)(性別(男/女))
出生日期(年/月/日)/Date of birth(Year/Month/Day)(生年月日(年/月/日))
⑧★签证号码/Visa No.(ビザ番号)
⑨★签证签发地/Place of Visa Issuance(ビザ発給地)
航班/船名/车次/Flight No./Ship’s name/Train No.(飛行機/船舶/鉄道の便名)
入境事由(只能填写一项)/Purpose of visit(one only)(入国理由(一つだけ選択))
- 会议/商务/Conference/Business(会議/ビジネス)
- 访问/Visit(訪問)
- 观光/休闲/Sightseeing/in leisure(観光/レジャー)
- 探亲访友/Visiting friends or relatives(親族知人訪問)
- 就业/Employment(修業)
- 学习/Study(留学)
- 返回常住地/Return home(常住地に戻る)
- 定居/Settle down(定住)
- 其他/others(その他)

签名/Signature(サイン)
※以上申明真实准确。/I hereby declare that statement given above is true and accurate.(上記の記述は真実かつ正確です)

2. 入国審査

入国審査時に必要な物

  • パスポート(有効残存期間が6ヶ月以上)
  • ビザ(必要な場合のみ)
  • 記入済みの入国カード

なお、2017年より、外国人の入国審査時には「指紋採取」および「顔写真撮影」も行われるようになりました。対象は14歳から70歳までです。

入国審査の流れ

  1. パスポートと入国カードを持って、外国人専用レーンに並ぶ。
  2. 順番が来たら、審査官にパスポートと入国カードを提示する。(パスポートカバーは外しておきましょう)
  3. 機械に指を押し付けて指紋採取する。(右手指4本⇒左手指4本⇒両親指の順。日本語音声が流れるので従う)
  4. カメラを見て、顔写真撮影をする。
  5. 入国カードが回収され、スタンプが押されたパスポートのみが返却される。

入国審査で聞かれること

普通の旅行程度では、入国審査で質問を受けることはないでしょう
筆者は中国在住7年間のうちで、質問を受けたことは一度もありません。日本のパスポートが、よほど信用されていることの証明ではないでしょうか。
特別なビザをお持ちの方は、念のため、滞在目的を伝えられるようにしておきましょう。

各審査官のカウンター前には、サービスの質を評定するボタンがあります。
入国審査終了後、任意で押すことが出来ます。審査官が正確かつ迅速に、それでいて愛想よく対応してくれたら「优(excellent)」ボタンを、まあまあなら「良(good)」、イマイチなら「可(fair)」、良くないと思ったときは「差(poor)」を押してあげましょう。

3. 手荷物受け取り

  1. フライトチケットの半券を用意し、手荷物受け取りのターンテーブル前で待機する。
  2. 自分の手荷物がベルトコンベア上に流れてきたら素早く受け取り、半券の裏側に張り付けられた「手荷物番号」と照会し、一致することを確かめる。

いくら待っても自分の手荷物が流れてこない場合は、ロストバゲージした可能性が考えられますので、近くの係員に相談しましょう。

4. 税関申告・手荷物検査

中国では、免税範囲内であれば、税関申告書の提出は不要です。
もし、範囲を超える量の物品を中国へ持ち込む場合は、空港の税関申告カウンターに申告書が置いてあるので、そこで記入・提出してください。
申告する物がなければ、そのまま出口へ向かってOKです。
ただし、出口付近でまれに、ランダムに手荷物検査が行われる場合もあります。その場合は係員の指示に従い、スーツケースを開け、中身を見せるようにしましょう。

関連記事:中国・広州、白雲空港などから市内へのアクセス方法

中国出国前のチェック

リコンファーム

航空会社によっては、出発時刻の72時間前までに「リコンファーム」が必要なところもあります。リコンファームとは、復路便の予約の再確認のことです。 無連絡の場合は、確保済みの予約がキャンセルされる場合もありますのでご注意ください。(日系航空会社では不要)

中華系航空会社のうち、リコンファームが必要なところは以下の通りです。リコンファーム時には、搭乗前日の滞在先の連絡先や航空券番号なども必要です。

  • 中華航空(CI)(到着から次の出発までが72時間以内の場合は不要。また現地連絡先情報を予約記録に登録済みの場合も不要)
  • 中国南方航空(CZ)※中国国際線は不要
  • 海南航空(HU)※中国国際線は不要
  • アモイ航空(MF)※全路線(現地連絡先情報を予約記録に登録済みの場合は不要)

リコンファームの方法

  1. WEBでする方法
    各社航空会社の公式サイト上で、リコンファームができるようになっています。中国南方航空の場合は、客票号码(Eチケット番号)と旅客姓名(お客様氏名)を入力するだけで完了します。
    参考:中国南方航空—客票验证

  2. 電話でする方法
    直接航空会社のカウンターに電話をかけて、リコンファームすることも出来ます。「リコンファームしたいのですが(我想确认一下预定好的机票:Wǒ xiǎng quèrèn yīxià yùdìng hǎo de jīpiào/ウォー・シャン・チュエレン・イーシャー・ユーディン・ハオ・ダ・ジーピャオ)」と言えば良いでしょう。必要となるのは、Eチケットの内容・住所・電話番号です。外国語に自信がない場合、中国南方航空の場合は日本語サービスがありますので、そちらを利用すると安心です。
    参考:中国南方航空ー国内線ホットライン(中国国内):4006695539-3-1

  3. 現地の空港会社オフィスに出向く方法
    時間に余裕がある場合、各航空会社のオフィスに直接出向いて手続きをしてもらうと安心です。Eチケットを窓口で提示すれば、外国語を話せなくても処理してもらえます。

持ち物

持ち物で気を付けたいのは、中国から国外への持ち出しが禁止・制限されている物があるということと、次に入国する国(日本など)への持ち込みが禁止・制限されている物があるということです。ここに載せている物は一部なので、不明点があれば速やかに各国税関に問い合わせましょう。

中国国外への持ち出しが禁止されている物

  • 中国国内への持ち込みが禁止されている物
  • 貴金属・貴重文物(文化財・古美術・骨董品類)
  • 絶滅に瀕する貴重動植物(標本含む)およびその種子・繁殖材料など
  • 国家機密に触れる資料(手書き文書、印刷物、フィルム、写真、音声ディスク、画像ディスク、ビデオテープなど)など

中国国外への持ち出しが制限されている物

  • 外貨(5000米ドル相当額以上は税関で申告が必要)
  • 人民元(現金2万元を超えると申告が必要)
  • 金銀製品(50gを超える場合は申告が必要)
  • タバコ(400本を超えると申告が必要)
  • アルコール類(750ml以下×2本を超えると申告が必要)
  • 漢方薬(300元相当分を超えると申告が必要)
  • カメラ・ビデオ・ノートPC(各1台まで。5000元を超えるものは申告が必要)など

日本への持ち込みが禁止されている物

  • 危険薬物(麻薬、向精神薬、大麻、あへん、けしがら、覚せい剤、あへん吸煙具など)
  • 指定薬物(医療等の用途に供するために輸入するものを除く)
  • 危険物(武器、爆発物、火薬類など)
  • 病原体
  • 偽造品(貨幣、紙幣、銀行券、印紙、郵便切手、有価証券など)の偽造品
  • 公安又は風俗を害する物(書籍、図画、彫刻物、児童ポルノなど)
  • 特許権、著作権などを侵害する物品
  • 病害虫の恐れのある動植物およびその製品(果物、野菜、肉類など)など

日本への持ち込み制限がある物

  • 外貨(5000米ドル相当額以上は税関で申告が必要)
  • 人民元(現金2万元を超えると申告が必要) ※通貨に関係なく、現金で日本円換算100万円超の現金を持ち込む場合は申告が必要。
  • タバコ(個人使用分で2カートンを超えると申告が必要)
  • アルコール類(760ml×3本を超えると申告が必要)
  • 香水(2オンスを超えると申告が必要)など

参考:税関ー海外旅行の手続

広州の出国手続きの流れと所要時間

1. チェックイン・手荷物預かり

チェックイン(搭乗手続き)には、当日直接空港のカウンターに並んで直接処理してもらう方法と、事前にオンラインであらかじめ済ませてしまう方法とがあります。

オンラインチェックインは、通常、予定搭乗時刻の72時間前に受付が開始され、24時間前に終了します。(各航空会社により若干異なります)事前にチェックインを済ませておけば、当日空港に行く時間にゆとりができますし、座席が選べる場合もありますので、できる限りオンラインを利用しましょう。

なお、オンラインチェックイン済みでも、航空券の発券が必要な場合や、受託手荷物がある場合は、当日カウンターに並ばなければいけません。乗客用レーンは、搭乗するクラスによって分けられていることはもちろん、「オンラインチェックイン済みお客様専用レーン」「受託手荷物専用レーン」などが設けられていることもありますので、適切なところに並びましょう。

カウンターでは、パスポートとEチケットの控えが必要となります。これに加え、係員に自分が乗ろうとしている便名や、目的地を告げてあげるとより親切でしょう。

2. 税関申告

税関申告が必要なものがある場合、必ず税関申告カウンターへ出向き、検査を受けなければなりません。また中国での出国時には問題がなくても、次に入国する国への持ち込みが禁止・制限されている物もあるので、注意してください。

3. ボディチェック・機内持ち込み手荷物検査

近年広州白雲空港では、ボディチェックの際に、女性職員に担当してもらえる「女性専用レーン」と、男性職員に担当してもらえる「男性専用レーン」ができました。いずれも一レーンずつで、残りは混合レーンとなります。ご自身の希望に従って、適切なレーンにお並び下さい。

機内持ち込み手荷物検査では、パソコン・タブレット・スマホ・携帯電話・モバイルバッテリーは予めカバンから出しておく必要があります。分けて機械に通すようにしましょう。

4. 出国カードの記入

中国を出国する際には、出国カードへの記入が必要です。
入国カードを切り離した後の、四角い黄色い半券が出国カード(外国人出境卡:Wàiguó rén chūjìng kǎ/ワイグオレン・チュージン・カー)です。

出国カードの書き方

書き方は、入国カードの時とほぼ同じです。ローマ字(英語)でも漢字でも構いません。

/Family Name(名字)
/Given Name(名前)
护照号码/Passport No.(パスポート番号)
出生日期(年/月/日)/Date of birth(Year/Month/Day)(生年月日(年/月/日))
性别(男/女)/sex(Male/Female)(性別(男/女))
航班/船名/车次/Flight No./Ship’s name/Train No.(飛行機/船舶/鉄道の便名)
国籍/Nationality(国籍)
签名/Signature(サイン)
※以上申明真实准确。/I hereby declare that statement given above is true and accurate.(上記の記述は真実かつ正確です)

5. 出国審査

出国審査時に必要なもの

  • パスポート
  • 記入済みの出国カード

出国審査の流れ

  1. パスポートと出国カードを持って、外国人専用レーンに並ぶ。
  2. 順番が来たら、審査官にパスポートと出国カードを提示する。(パスポートカバーは外しておきましょう)
  3. 出国カードが回収され、スタンプが押されたパスポートのみが返却される。

出国審査で聞かれること

ノービザ可能滞在期間(15日間)などを過ぎていない限り、特に聞かれることはありません。審査が終わったら速やかにその場を離れ、搭乗口へ向かいましょう。

終わりに

以上です。いかがでしたでしょうか。
中国の出入国手続きも、各国での手順と大差ありません。むしろノービザ滞在できる日本人にとっては、非常に出入りのしやすい国だと言えるでしょう。ただし持ち込みに制限がある物が多いので、その点だけは気を付けるようにしてください。
その他、分からないこと、知りたいことがあれば、ロコタビの無料Q&Aで質問もできますのでぜひ利用してみてくださいね!皆様の愉快な旅路をお祈りいたします。