日本にいても頭を抱えてしまう保育園・幼稚園選び。海外ならなおさらです。
日本人学校という選択もありますが、現地校に関してもご興味をお持ちの方に、少しでもお役に立てればと思い、記事にしてみました。

お受験がない一貫教育

バルセロナでは、幼稚部(3歳)から高校卒業まで一貫して同じ学校に通う子供たちがたくさんいます。幼稚部(3年)・小学校(6年)・中学校(4年)・高校(2年)と、同じ敷地内であったり、違う場所であっても同じグループということで、よほどの事情がない限り、希望すればストレートに進級して行きます。もちろん、節目であってもそうでなくても、小学校や中学校の途中で別の学校へ転校する子供達もいますので、一旦入ってしまったらそれっきり、ということではありません。

子供の就学年齢

バルセロナは日本と違い、生まれた年に従い、学年が振り分けられます。幼稚部から入学する場合、2019年9月に入学する子供達は、2016年度生まれの子供となります。よって、2016年の9月〜12月生まれの子供達は、3歳に達する前に幼稚部をスタートします。

学校の種類

バルセロナには大きく分けると3種類の学校があります。

公立

保育園、幼稚部+小学校(9年)、中学+高校(6年)
こちらは、保育園、幼稚部、中学校へ入学する際に、希望校を明記した入学申し込みを提出し、審査の上、入学決定がなされます。
第一言語はカタラン語。スペイン語と英語の授業ももちろんあります。

半公立(コンセルタード)

保育園、幼児学級+小学校(9年)、中学(4年)、高校(2年)
日本では存在しない種類の制度ですが、バルセロナではこの半公立学校の数が公立と私立に比べ断然多い状況です。政府から一部補助が出ており、残りを各家庭が負担することになっています。カタラン語が第一言語ということも含み、政府からの教育指導要領に基づいてはいますが、各学校によって、英語やスペイン語、音楽やスポーツ等、一定の裁量で重点を置くことができ、それぞれ特徴がある教育を提供しています。
保育園から高校卒業まで一貫という学校もありますし、幼児学級から高校まで一貫というところもあります。

私立

スペイン語教育の学校と、インターナショナル学校(イギリス・フランス・ドイツ系・イタリア系等)がこれにあたります。
保育園、幼児学級+小学校(9年)、中学(4年)、高校(2年)または、インターナショナル校によって、その国の教育システムに沿ってカリキュラムを組んでいます。

バルセロナ日本人学校

日本語環境で子供を預けたい、子供に学ばせたいと思われる方、バルセロナ中心地から電車で30分ほどの町、「Sant Cugat (サンクガット)」に3歳児からの幼稚部を併設した日本人学校(小・中学校)があります。毎日学校まで行けないという方は送迎バスも利用できます。 (https://www.colegiojaponesbcn.org)

また、現地校に子供を通わせながら、日本の教育も継続したい方、日本の行事を子供に体験させたい方向けに、スペイン在住日本人のボランティア活動によって構成されている「バルセロナ日本語補習授業校」が毎週土曜日の午前、同じ場所で開催されています。こちらは4歳児から。(http://www.bcn-hoshuko.com)

入園・入学の申し込み方法

私立の学校は独自の応募・選考方法があるので、各学校に直接問い合わせます。
よって、ここでは公立と半公立(コンセルタード)についてご説明します。

学校を絞り込む

たくさんある学校からどう選ぶのか、どこへ行けるのかということが一番悩むところ。
住民登録をしてあれば、12月頃を目処に就学児向けの案内が郵便で届くことになっています。時期が合わなかったり、何かの手違いで届かなかったりすることもありますがご心配なく。居住地域の区役所 (Oficina del Ayuntamiento)へ行くと、お住いの地区の学校リストがもらえます。
公立と半公立の学校の場合は、居住地・勤務地・兄弟がすでに入学している・母子または父子家庭等の条件でポイントが加算され、ポイントが高い順に入学決定される仕組みとなっています。

学校見学

毎年12月頃から2月末にかけて、各学校の「オープンデー」が開催されます。学校によって一回きりのところもありますし、2〜3回開催するところ、また、1週間の猶予を持って、アポイント制で受け付ける学校もあります。
オープンデーは通常1〜2時間程度かけて、教育方針、学校敷地内の見学が行われます。面接ではないので気軽に参加することをお勧めします。土曜日に行う学校もありますが、平日に開催する学校はできるだけ平日に行ってみましょう。子供達や先生の日常の姿を見学することも参考になると思います。
また、オープンデーを逃してしまったり、大勢でなく個別で見学したい場合は、積極的にそれぞれの学校へ電話をし、アポを取りましょう。

申し込み方法

学校をいくつか見学し、お気に入りの場所が見つかったらいよいよ申し込み。時期としては基本的には3月となりますが、保育園・幼稚部・小学校・中学校と締切日が若干違う場合もあるので、書類に目を通したり、学校または区役所へ確認すると良いでしょう。
申込書には就学希望する学校(幼稚部)の名前を第一希望から順に書いて行きます。いくつも書く欄がありますが、通常3つから5つくらいの学校名を書くようです。
書類は最終的にはバルセロナの教育省でまとめられますが、期間中に第一希望の学校へ持参する人がほとんどです。

選考方法

お受験ではなく、全てポイント制です。希望の学校のエリア内に住んでいるか、または勤務先があるか、兄弟姉妹が先に入学しているか、母子・父子家庭か、子供が3人以上いる家庭か、等でポイントが加算されて行きます。
各学校は第一希望で応募をして来た子供の中で、ポイントが高い順に入学を受理します。
よって、第一希望の学校に入れなかった場合、第二希望の学校がすでに第一希望で応募して来た子供たちで定員に達した場合は、第二希望の学校へは振り分けられず、第三・第四希望の学校へと流れて行きます。

幼稚園(幼児学級)申し込みの際のコツ

人気がありそうな幼稚園(学校)は、応募期間が終了しそうな頃に出向いて、応募状況を聞いてみましょう。学校によっては教えてくれないこともありますが、私の場合は、第一希望の学校へ応募締め切りの1日前に出向き状況を聞いて見たところ、「定員の3分の2以上の応募者の兄弟がすでに入学しているので、よほど他でのポイントが高くないと無理でしょう」と言われました。そこで第二希望の学校を第一希望に変更し、入学させました。

バルセロナの保育園について

共働き家庭が多く、3ヶ月前後の産休後に子供を保育園へ預ける、またはおじいさん・おばあさんへ預ける、そしてベビーシッターを雇うという家庭がほとんど。どこでも簡単にという訳ではありませんが、比較的保育園やベビーシッターは見つかりやすい状況です。
0歳から3歳までの独立した公立と私立の保育園、そして上記で説明した幼稚部に付属した保育園(半公立と私立のみ)があります。
空き状況や受入れ月齢が園によって違うので個別に問い合わせる必要があります。保育園によって特徴もあるので、お子様のその時の成長過程に合わせてお選びになると良いかと思います。日本と同じで、公立の保育園は人気が高く、居住区、勤務地、収入、母子・父子家庭、子供が多い家庭等で点数が加算され、高い順に入園できるシステムになっています。

ロコのお母様、お父様へ

地元の方と違い、おじいさんやおばあさん等、家族の支えを期待できないご家庭が多いかと思います。共働きの家庭はもちろん、子供同士で遊ばせる時間が大切だと思われる方、また海外での孤立した子育てにちょっと一息つきたいと思われている方、現地での生活に馴染む為にも保育園・幼稚部(幼稚園)・ベビーシッターを有効に活用されてください。
また、長い期間バルセロナにお住いのご予定がある際には、小学校に付属の幼稚部から入られることをお勧めします。現地の子供達は、ほとんどがこの幼稚部(P3と呼ばれ、3歳児から入学)から学校生活をスタートし、そのまま小学校へ進級します。
もちろん、3歳では早すぎるとお考えになられる場合は、小学校からでも入学できますのでご心配なく。